メディヘン5

時々書く読書感想blog

西荻窪の新刊書店で『SFが読みたい!』を探したら

昨日、三連休の初日をベッドに篭ってうたた寝とネット小説三昧で潰したところ、カミサンから「あまりに不健康」とダメ出しを喰らった。いいじゃない、何もイベント無いんだから……

で、連休中日の今日は散歩の一つも行ってこいとなったので、ブラブラ歩きながら、先週金曜2/8に発売されたはずの『SFが読みたい! 2013年版』を探しに地元・西荻窪駅前の新刊書店巡りに。


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フツー、天下の早川書房が出す『SFが読みたい!』くらいの本(雑誌?)ともなれば、発売日に店頭に並ぶはずだが……そこは、中央線沿線でも今一マイナーなローカルタウン・西荻窪のこと、これまたマイナージャンルであるSF関係本がちゃんと配本されているか心許無い。

さらに、今回は、『SFが読みたい!』だけではなく、最近ネットの観測範囲で高評価のライアニエミ『量子怪盗』も買いたいという心積り。ハヤカワSF文庫であれば西荻窪の本屋にもそこそこ置かれているのはわかっているが、「新★ハヤカワSFシリーズ」(これ★も正式名称の一部?)まで置いていたかどうか自信無し。

おまけに最近は、一番便利な信愛書店しか行ってないので、本屋の状況がわからない。まあ、行ってみようということで……


信愛書店

最初に訪れたのは、「西荻カルチャーの総本山」(from はてなキーワード)、南口・信愛書店。間口二間くらい?・通路3本の小さな店構えながら、ギュッと詰まった個性的品揃えの魅力と夜12時くらいまで開けてくれている使い勝手で、愛用させていただいてます(気分的には。あまり通うとどんどん積読が増えるは財布が軽くなるわなので、危険地帯として避けているというところも。)

SF的には、お店の左側通路奥の内側の目の高さくらいの書棚1本がハヤカワ+創元の文庫に当てられており、その書棚の上にハードカバー・ソフトカバーが飾られているという配置。この本屋に来ると必ずチェックしてきたこともあり、この棚の前で過ごした時間は(主観的には)結構長く、ハヤカワの文庫の新刊は、ここから手にとって買うことが多い。

なんだけど、この本屋さんの弱点は、新刊がなかなか棚に並ばないことなんだよなぁ。規模が小さいせいで配本が遅いのだろうか。『SFが読みたい!』も2日前に出たばかりだから無いかもなぁ、と思って行ってみたところ、やっぱり無い。文庫主体なので無いだろうと思っていた『量子怪盗』も無い。ロベルト ボラーニョ『2666』がデデンと棚の上から見下ろしてきたりするところは、この本屋らしいんだけど。

SF文庫棚正面のノンフィクション・コーナーから、『エリア51』の目立つ背表紙がおいでおいでをするが、誘惑を振りきって撤退。

ブックセラーズ西荻

続いて訪れたのは、西荻窪駅東側の高架下に店を構えるブックセラーズ西荻。本屋の品揃えとしては、普通に雑誌から一般書・各社文庫が並ぶが、コミックコーナーが小さく文系専門書が充実という、真面目な本屋さんという印象だった。数年前に改装して売り場が小さくなってから文系専門書コーナーが縮小され、ごく普通の書店ぽくなった。それでも文庫クセジュがゾロっと並んでいたり、侮れないところがある。

真面目な本屋さんなので、SF的にはあまり面白みが無く、『SFが読みたい!』も『量子怪盗』も無いだろうなと思っていたら、やっぱり置いてなかった。

それでも昔はハヤカワSFシリーズくらいは置いていたのに、新★ハヤカワSFシリーズは影も形も無くてガックリ。

颯爽堂

なんかダメかも……という気分になりつつも、西荻窪駅北口へ。北口正面のアーケード付き商店街には昔二軒の本屋さんがあったのだけど、しばらく前に両方とも閉めてしまって、その代わりに、ちょっと駅から離れたところに颯爽堂という新しい書店ができた。(新しいと言っても2009年開店らしい)

北口は自宅とは反対側ということもあって、ほとんど入ったこともない書店。この際、じっくり見るのを楽しみにしてズカズカ入店。

馴染みが無いので『SFが読みたい!』が置かれていそうな棚の見当もつかないのだけど、入って右手の文芸コーナーをみてみると、あるではありませんか「SF・ファンタジー」コーナーの一棚。しかぁし、「ミステリー」やらラノベ系評論も一緒になっており、なんかSF っぽくない。かろうじて書棚前の平台に『屍者の帝国』や『クラウド・アトラス』が並べられているのだが、『SFが読みたい!』も無ければ、新★ハヤカワSFシリーズの一冊すら無い。その平台から右手に続く新刊書中心の平台には、なかなかそそられる本をセレクトしていて良い感じなのになぁ。

ガックリしつつ、SFマガジンと同じところにあるのかなぁと思って店の奥に入ってみるものの、SFMも見つからない。なんだか悔しくて店内をウロウロしてしまう。久々に狙った獲物が見つからない悔しさを噛み締めつつ、ちょっと気になっていた岩波新書成毛眞『面白い本』を買うことにする。

岩波新書一冊を手に再び文芸コーナーへ。なんだ海外文学に一棚充てて、おもしろそうなの並べてるじゃないか、なのになんで……などと思いながら、もう一度SF・ファンタジー・コーナー(+ミステリー等もろもろ)へ。なんだか変なSFコーナーだな等と思いつつ、未練がましく棚を端から見ていたら……あるじゃございませんか、『SFが読みたい! 2013年版』。棚の一番左上に、『このミステリーがすごい』と『このライトノベルがすごい』に挟まれて1冊だけ置いてありました。”このミス”・”このラノベ”に比べると、なんか目立たない『SFが読みたい!』。

嬉しいというか、一昨日出たばかりなのにこれか、という微妙感を感じながら、早速、棚からゲット。後で金曜・土曜の二日間で結構売れたからかも、などとも思ったけど、そんなに売れるもんなのかな、コレ。

妙に高揚感を感じたあげく、再び店の奥を回ってハヤカワSF文庫の揃い具合を確認したところ、ちょっとガッカリ感のある品揃え。この本屋はSF的にはおいしくない、と結論。

今野書店

颯爽堂で『SFが読みたい!』をゲットして今日の主目的は達成したわけだが、『量子怪盗』は未入手。それどころか、新★ハヤカワSFシリーズの1冊すら目にしていない。なんだか寂しいので、もう1軒覗いてみることにする。

ということで、西荻窪駅北口西側の女子大通り商店街の今野書店へ。

今野書店は、女子大通りのちょっと先にあった旧店舗から2年前に駅に近い現店舗に引っ越してきたのだけど、今の店になってからとんとご無沙汰していた。こちらもこの際拝見しましょう、ということで。

店に入って右手の文芸コーナーを見てみると、案の定、SFは無い……文芸コーナーの向かいには文芸雑誌のコーナーがあって(これは良いアイデア)、SFマガジンもあるのだけど。うぅむやはり、などと思いつつ、文芸コーナーからヨコに動いていくと……お、あった!柱前の特設コーナーのようなところに『SFが読みたい!』も5冊ほど平積みされていれば、『量子怪盗』もあるし、その横に『第六ポンプ』もある。よしよし。

さっそく『量子怪盗』を手にとって、なんだか一安心。う〜む『第六ポンプ』も買わないといかんのだよなぁ、などと思うが、『量子怪盗』1,800円、『第六ポンプ』1,600円という値段を見て自重。

『量子怪盗』を手にしつつハヤカワSF文庫のコーナーを探すと、そこそこ充実しているのでは。これまた未読のイーガン『プランク・ダイヴ』があることを心に留め、レジへ。


やるな今野書店、移転する前はフツーの本屋だったのに、などと思いつつ、家路へついたのでありました。

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