メディヘン5

時々書く読書感想blog

ファンタジー

読書メモ:アーシュラ・K・ル=グウィン『ファンタジーと言葉』

ル=グウィンによる物語論・創作論を中心としたエッセイ集。原書は2004年刊行(著者75歳、《西のはての年代記》三部作刊行開始前後のタイミングか)それほど思い入れがある人では無いし、自分自身は創作しようというタイプでもないのだけど、読み流すには惜し…

感想:C.L.ムーア『シャンブロウ』

なぜか忘れがたいノースウェスト・スミス。シャンブロウ、ノースウェスト・スミス、「地球の緑の丘」といった単語が基礎教養のように感じられるのは、思春期に野田昌宏氏のスペースオペラ話を読んで育ったからかも。一作目の「シャンブロウ」(1933)から最…

小田雅久仁『本にだって雄と雌があります』 感想: 関西弁・家族・本

どういう話なのか粗筋を知る前にkakidashi.comで、 あんまり知られてはおらんが、書物にも雄と雌がある。 という書き出しを見て気になっていた。よく意味がわからないのに断定されると、「そうだったのか」と思わされてしまうような……本にだって雄と雌があり…

チャイナ・ミエヴィル『ペルディード・ストリート・ステーション』『都市と都市』感想

カミサンとジュンク堂本店のSFブックミュージアムに行った際、「そういえばこれはエラく評判が高かったようだぞ」と思って買ったのが『ペルディード・ストリート・ステーション』。この作品については、このblogの中断前の最後の記事、『SFが読みたい!』201…

フリッツ・ライバー『跳躍者の時空』感想

ライバー! 高い期待を裏切らない高い満足感。奇想コレクションの中でも、特にお気に入りの1冊になりそう。跳躍者の時空 (奇想コレクション)作者: フリッツ・ライバー,中村融出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2010/01/21メディア: 単行本購入: 4人 ク…

クリストファー・プリースト『双生児』

双生児 (プラチナ・ファンタジイ)作者: クリストファープリースト,Christopher Priest,古沢嘉通出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/04メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 120回この商品を含むブログ (108件) を見る 「SFが読みたい!2008年版」海外部門…

古川日出男『アラビアの夜の種族』

いや、これはまた凄い。なんの準備も無く、いきなりオールタイム・ベスト級にぶちあたってしまった。って、いまさらだけど。なんで、こんな本を今まで読んでなかったんだろう>自分。ああ、もったいない。日本SF大賞受賞作、というのは、これまであまり意…

E.R.エディスン『ウロボロス』

家族で西荻窪駅前のラーメン「ひごもんず」に昼ごはんを食べに行く途中、古書店の「にわとり文庫」で購入。にわとり文庫は小さなお店で、欲しい本がいつも見つかるわけではないのだけど、たまに行くとおもしろい本が見つかるんだよなぁ。ウロボロス (創元推…

ジャック・ヨーヴィル『ドラッケンフェルズ』

0mbさんの熱烈な推薦を読んで購入。ウォーハンマーノベル ドラッケンフェルズ (HJ文庫G)作者: ジャックヨーヴィル,クリステルスヴェーン,待兼音二郎,崎浜かおる,渡部夢霧出版社/メーカー: ホビージャパン発売日: 2007/09/29メディア: 文庫 クリック: 22回こ…

冲方丁『ばいばい、アース』

2007年の9月〜11月に1巻から3巻まで月一で出た後、最終4巻が止まっていた『ばいばい、アース』。じりじりしていたら、2月にようやく4巻が出ましたね。あとがきか解説に間が開いた事情が出ているかと思ったけど、何もなかった。 舞台は、空に聖星<アース>が…

仁木英之『僕僕先生』ボクっ娘仙人は杏の香り

こちらの評(仁木英之『僕僕先生』@第弐齋藤 土踏まず日記)を読んで、これは気軽に読めそうだゾ、というノリで購入。僕僕先生作者: 仁木英之出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/11/21メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 28回この商品を含むブログ (169…

ナンシー・A・コリンズ<ミッドナイト・ブルー>シリーズ

「族長の初夏:ヴァンパイアは皆、哀れな「百代の過客」なのだろうか」を読んで。 とりあえず目下の興味は、吸血鬼もののフィクション全般において不死ゆえの悲哀、彼らへのシンパシーといった物語要素がどのくらい定番的なのかということです。これはこれで…

リック・ヤンシー『アルフレッド・クロップの奇妙な冒険』

大先輩・堺三保氏の翻訳新作が出た、ということで購入。表紙は西島大介氏。カバーを取った本体の装幀は、アメリカの本のようなデザインに西島氏のカットを小さくあしらった、ちょっと凝ったもの。アルフレッド・クロップの奇妙な冒険posted with 簡単リンク…

ポール・アンダースン『折れた魔剣』 FT文庫の方が似合うのだが

1974年にハヤカワSF文庫で刊行された作品の新装版。当時の早川書房が、ファンタジー作品をSFで出していたのも仕方が無い。しかし、今は立派なFT文庫もあるのに、どうしてこの作品をFTに入れなかったのだろう。解説の井辻朱美氏も『指輪物語』と並べて語って…

町井 登志夫『爆撃聖徳太子』 絶叫厩戸皇子

知らない作者だし、普段、こういうタイトルの小説は(なんかいかがわしくて ^^;)買わないのだが、記念すべきbk1への初注文の際に「SF」のページで紹介されていたため、ふと購入。平積みを手にとって、ついつい買ってしまうようなものか。爆撃聖徳太子posted…

フリッツ・ライバー『妻という名の魔女たち』

本作品、昔、サンリオSF文庫というヤツで出ていたのだけれど、買い逃して絶版になってしまい、残念に思っていたもの。今回、創元推理文庫から再刊されて良かった良かった。しかし、昔は360円だったのに、今回の版は760円(!)。文庫本も高くなったもんだ。妻と…

マーセデス・ラッキー『宿命の囁き』

いわゆる”剣と魔法”ものです。割とお気に入りの作者なので、新刊コーナーで見つけて、即購入。宿命の囁き 上posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.28マーセデス・ラッキー著 / 山口 緑訳東京創元社 (2003.11)ISBN : 4488577067価格 : ¥882通常2-3日以内に…