メディヘン5

時々書く読書感想blog

フィクション

小田雅久仁『本にだって雄と雌があります』 感想: 関西弁・家族・本

どういう話なのか粗筋を知る前にkakidashi.comで、 あんまり知られてはおらんが、書物にも雄と雌がある。 という書き出しを見て気になっていた。よく意味がわからないのに断定されると、「そうだったのか」と思わされてしまうような……本にだって雄と雌があり…

冲方丁『光圀伝』感想 冲方エンタメとの類似性

地元の本屋で購入。読み始める前は通勤中に読むつもりだった。ところが、この本を読む前にハードカバーの『BEATLESS』を通勤中に読んでいてなかなか辛かった。さらにブ厚い本書を通勤電車の中で読むのは無理だ、ということになって寝る前にベッドの中で読む…

スカーレット・トマス『Y氏の終わり』

この小説はもちろん著者ももまったく知らない人。巡回先のblog各所でのきなみ好評でひどく気になった上、あらすじを見るといかにも自分の好み。ムラムラと読みたい欲求が高じてbk1に注文したのでした。 Y氏の終わり (ハヤカワ・ノヴェルズ)作者: スカーレッ…

ポール・オースター『幽霊たち』

最近、ポール・オースターってよく見かけるよなぁ、流行っているのかね、などと思っていたら、信愛書店の海外小説文庫本コーナーに数冊。他の2冊はエッセイだったので、まずは小説を読んでみるかと購入。……しかし、そもそも何故ポール・オースターという名前…

古川日出男『ベルカ、吠えないのか?』

<文学賞メッタ斬り!>シリーズのどれかに書かれたいた評を読んで、おもしろそうだと購入。とは言え、二年越しの積読本にしてしまい、ようやく読了。ベルカ、吠えないのか?作者: 古川日出男出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/04/22メディア: 単行本購…

笠井潔『オイディプス症候群』 <矢吹駆>シリーズ第5作

ミステリーはほとんど読まないのですが、なぜか、この笠井潔<矢吹駆>シリーズと北村薫<円紫さんと私>シリーズだけは全部読んでおります。とは言っても、文庫・ノヴェルズにならないと読まないのですが。オイディプス症候群posted with 簡単リンクくん at…

アレクサンドル・デュマ『三銃士』友を選ばば三銃士!

どこかの書評で知って佐藤賢一氏の『ダルタニャンの生涯』を読みたくなったのだけれど、そもそも『三銃士』をまともに読んだことがない。こりゃいかん、ということで読み始めたもの。三銃士 上posted with 簡単リンクくん at 2006.11. 4デュマ作 / 生島 遼一…

恩田陸『六番目の小夜子』 a boy meets a girl

『球形の季節』がおもしろかったので、続けて恩田陸の小説を読むことにした。最近の作品へ進むか(というか、どうもSFっぽい要素が強いらしい『光の帝国』を読むか)どうか迷ったのだが、『球形の季節』が第二作だということなので、折角だから有名なデビュ…

恩田陸『球形の季節』

このあいだ、たまたま家族で本屋に寄った際、各自何か本を買うか、ということとなった。カミサンが選んだのは桐野夏生『グロテスク』、ムスメはあさのあつこ『The Manzai 3』、ムスコはマンガとゲームの攻略本はだめよ、となったらふて腐れて何も選ばず。自…

ハンター・S・トンプソン『ラスベガス★71』

以前、どちらかのblogのレビューを読んで購入したまま、ずっと放っておいたもの。夏休みの旅行でラスベガスへ行くことになったので、機内読書用に堀り出して読んでみることにした。ラスベガス★71posted with 簡単リンクくん at 2006. 8.13ハンター・S・ト…

サン・テグジュペリ『人間の土地』『夜間飛行』 飛ぶほどに冴える眼差し

ある日の信愛書店、海外作品文庫本コーナーの書棚中頃に、宮崎駿氏の手によるものらしきカバーの2冊が表紙を表に並べられておりました。『夜間飛行』は持っているような気がするなぁ、と思いつつ、宮崎表紙版もいいかも、と思わず2册ともゲット。人間の土地 …

佐藤亜紀『1809』 ハードボイルドと貴族趣味

以前、「この本読みたひ」というカテゴリーの記事で触れた後、休眠中に読んだまま感想を書かずに放っておいたもの。ハトキャンプさんのblogからTBをいただいたのを機に、感想を書いてみることにした。1809posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 1佐藤 亜紀…

小川洋子『博士の愛した数式』 数式と、もう一つ

博士の愛した数式posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.25小川 洋子著新潮社 (2003.8)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見るAmazon■あらすじ家政婦である<私>の新たな勤め先は、老数学者の独り暮らし。事故で80分しか記憶…

佐藤賢一『オクシタニア』 南仏は雅な世界

推理小説はほとんど読まないのだが、なぜか笠井潔の<矢吹駆シリーズ>だけは、全巻集めている。その第2巻『サマー・アポカリプス』は、南仏一帯を舞台とし、キリスト教の異端として中世に滅ぼされた“カタリ派”をモチーフにしている。『サマー・アポカリプス…

スティーヴン・ハンター『さらば、カタロニア戦線』 スパイ小説版カタロニア讃歌

『カタロニア讃歌』、『物語 カタルーニャの歴史』に続くカタルーニャもの。さらば、カタロニア戦線 上posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 1スティーヴン・ハンター著 / 冬川 亘訳扶桑社 (2000.10)ISBN : 4594030017価格 : ?680通常2-3日以内に発送しま…

森博嗣『スカイ・クロラ』 青空と飛行機の好きな人向け

スカイ・クロラposted with 簡単リンクくん at 2006. 7.30森 博嗣著中央公論新社 (2001.6)ISBN : 4120031586価格 : ?1,995通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見るAmazonスカイ・クロラposted with 簡単リンクくん at 2006. 7.3…