メディヘン5

時々書く読書感想blog

読書日記  2026年6月28日〜7月4日 ニール・ゲイマン

チャイナ・ミエヴィルの『クラーケン』を読了して、次は何を読もうかとというところで一旦、ストップ。

6月頭のロンドン旅行の勢いでロンドンものの現代ファンタジーを読み始めわけだが、先が続かない。手持ちのロンドンものでは後はニール・ゲイマンの"Neverwhere"があるんだけど、Kindleですぐ辞書が引けるのならともかく、紙本の原書を読むのもちょっと面倒くさい。この際、柳下毅一郎翻訳の邦訳版を読みたいところなのだが、これが絶版で電子版も無し。

Neverwhere

Neverwhere

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"Neverwhere"の原書をベッドサイドに置いてパラパラめくってみるかと思って本棚を探したら、ニール・ゲイマンがテリー・プラチェットと共著で出した現代ロンドンものの"Good Omens"のペーパーバック版も持っているのに気づいた。この"Good Omens"も邦訳版を読もうと思ったら、絶版&電子版無し。2019年に文庫化されたばかりなのに……

"Neverwhere"も"Good Omens"も具体的なストーリーを覚えていないので、原書を読みなおせるかどうか試してみる気になったところ。

読んでいるWeb小説

といったところで、洋書2冊を枕元に置いてスマホでXを見ていたら、アニメ版『無職転生』シーズン3が始まったという投稿が多数。予告動画を見たところ、Web版原作のストーリー展開のキーアイテムである「日記」が登場しているではありませんか。この日記のあたりから、物語が一気に加速するんだよなぁ、などとWeb版原作の『無職転生』を読み返してしまった。

読書日記  2026年6月21日〜6月27日

旅行に行ってからマイブームとなっているロンドン物、<ロンドン警視庁特殊犯罪課シリーズ>の後、チャイナ・ミエヴィルの『クラーケン』の再読を始めた。

この『クラーケン』、確かに読んだ記憶があるし、なんなら読書メーターにも感想を書いている。なのに、本棚から見つからない。『ペルディード・ストリート・ステーション』も『都市と都市』もあるのに。どうしても見つからないが、読みたくて読みたくて仕方がない。完全に禁断症状の類。仕方がないので、Kindle版を買い直してしまった(ちょうど半額セール対象だったので、というのが大きいけど)

ロンドンの自然史博物館に展示されているダイオウイカのホルマリン漬標本が忽然と姿を消し、地下室からは明らかに人の体が通る大きさの口ではない標本ビンに押し込まれた死体が発見される……という出だしで始まるダーク・ファンタジー。行方不明のダイオウイカを巡って奇天烈な(オ)カルト集団が組んず解れずの争いを繰り広げる展開は、今読んでも十分面白い。思ったよりロンドンの地勢に触れていなかったけど、楽しめていて、買い直しでも満足。

読んでいるWeb小説

というわけで、Kindle読書(スマフォ読書)が続いていることから、Web小説はストップ継続中。

読書日記  2026年6月14日〜6月20日

まだロンドン旅行の興奮が続いており、<ロンドン警視庁特殊犯罪課シリーズ>を邦訳が出ている4巻まで一気に読んでしまいました。 実在のロンドンのロケーションが多数登場するのですが、ファンダムのサイトで各巻の登場ロケーション・マップが公開されているので、その周囲の雰囲気をGoogleストリートマップで見るのも楽しいです。

このシリーズ、邦訳は4巻で止まってしまっていますが、英国では長編だけで8巻になっている模様。4巻がショッキングな展開で終わったので、続きがむちゃくちゃ気になるんですが……続きを原書で読もうかどうしようかなと思いながら2周目を読んでいるところです。同じく現代ロンドンが舞台のミエヴィル『クラーケン』も再読しようかな。

購入した本

ロンドン警視庁特殊犯罪課シリーズは紙版は絶版なので久々にKindleで読んでいます。このシリーズの4作目を買おうとしたところで、ハヤカワのKindleセールがスタート。これは?と思って確認したら、『帝国という名の記憶』『平和という名の廃墟』も半額になってました。未読のままではイカンなと思っていたこの2冊、普段はリアル書店で紙版を買うよう心がけてはいるのですが、4冊分が半額という魔力に逆らえずまとめて一気にKindle版を購入してしまいました。

読んでいるWeb小説

というわけで、Web小説はストップ。『Zwei Rondo』を読みかけで止まっています。何せ、ロンドン警視庁特殊犯罪課シリーズがラノベっぽさがある軽めのアクション+ファンタジーな上、スマフォで読んでいるので他にWeb小説を読む気にならないのです。

読書日記  2026年5月31日〜6月13日

6月の第1週から土日を挟んで一週間、ロンドン・パリに旅行に行ってきました。このため、このブログも雑記ブログの方も先週はお休み。雑記ブログの方に記録を兼ねた旅行記を書こうかと思ったのですが、まだ調子が戻らずまとめきれないためそちらは今週もお休み。こちらの読書日記だけ更新しておきます。

読んでいる本

ニール・スティーヴンスン『ターミネーション・ショック』は旅行に出る直前に読了。歴史やら地理やら気象やらテクノロジーやらの蘊蓄満載で大変楽しく読みました。一方でストーリーやキャラクターは弱く、「小説」として読む人にはきっと不評でしょう。

旅行中は日々歩き回って疲れたため読書せず。行き帰りの飛行機の中でも映画ばかり観て本は読みませんでした。飛行機内は時間はたっぷりあるのに気圧変化のせいかどうも頭がすっきりせず、本を読む気にならなかったです。

帰国後、妙にロンドンの街並みが恋しくなって、<ロンドン警視庁特殊犯罪課シリーズ>を読み始めました。現代のロンドンを舞台にしたファンタジーで、実在の建物や店を含めた細かい描写が特徴の物語です。自分が歩いた観光地が出てくるわけではないんですが、「あ、このあたりバスで通った」というようなロケーションも登場してなんだか楽しい。現在、1巻目の『女王陛下の魔術師』を読み終わって、2巻目の『顔のない魔術師』を読み進めています。この手のシリーズは読み切らないとムズムズしてくるタイプなので、少なくとも邦訳が出ている4巻まで読んでしまいそうです。

書店にて

ロンドンでは、妻も行ってみたいという有名書店のDaunt Books(公式HP)に足を運びました。 この書店は、外観・内装の美しさや、経営者ジェームズ・ドーントの経営手腕、特製キャンバス・バッグなどで有名かと思います。 実際に足を運んでみると、まあ写真で見たのと同じではあるんですが、直に目にする感慨というのはありますね。 英国SF作家の作品が買いたかったのですが、この書店はそういう店ではない(英国から海外に旅行する旅行者向けの各国・地域別の書架が売りなので断念。私はお土産用のようなロンドンのガイドブック、妻はジェーン・オースティンの「History of England」を購入。もちろん、お土産用に有名なキャンバスのトートバッグも買ってきました。

読んでいるWeb小説

というわけで、旅行中はWeb小説もストップ。『Zwei Rondo』を読みかけで止まっています。

読書日記  2026年5月24日〜5月30日

読んでいる本

ここのところニール・スティーヴンスン『ターミネーション・ショック』を読んでいる。気候温暖化とそれによる海面上昇をテクノロジーで対策しようというジオエンジニアリングがテーマ。特定の主人公はおらず、何人かの視点人物の行動に合わせて、テキサス、ハーグ/ロッテルダム、パンジャブ/ヒマラヤといった舞台の歴史や地理・気候、それにテクノロジーに関する蘊蓄が延々と語られる形式。この雑学満載の近未来紀行のような文章がたいへん心地よい。そのぶん人物描写は薄くて「小説」を読みたい人には肩透かし感があるだろう。

読んでいるWeb小説

最近読んでいるのは、『Zwei Rondo』。2012年から2013年に渡って投稿された、かなり古いVRMMOもの。今は活動停止中の伝説のギルドを一人守る主人公(隠キャ)が、クラスメートの新人プレイヤー(陽キャ)の面倒を見ることになって……という始まり方。今のWeb小説よりもゆっくりペースのより小説らしい文章で書かれていて落ち着いて読める。

スペース・オペラに何を求めますか? 『星の海を駆ける:新世代スペース・オペラ傑作選 』

星の海を駆ける: 新世代スペース・オペラ傑作選 (創元SF文庫)』を読みました。タイトル通り、2012年から2023年までの約10年間に英米で発表されたスペース・オペラの短編を集めた短編集です。

「新世代スペース・オペラ」というものについて、編者ストラーンの序文では、

二〇二〇年代において、ニュー・スペース・オペラの影響は消化され、スペース・オペラそれ自体は、広大なテイクスカラアン帝国(『帝国という名の記憶』)の舞台となる星間国家)と『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の輝くパルプマガジン的活力のあいだのどこかに存在している。

と書かれています。この文章と序文に書かれたスペース・オペラ作品の歴史を読んで、これまでスルーしてきた『帝国という名の記憶』『平和という名の廃墟』がけっこう重要作品で、やはり読まなきゃなダメなんだなーと思いました。

印象に残った収録作品

さて、「新世代」という点はさておき、スペース・オペラですと言われた時に何を求めるか。

私の場合、まずは「どんぱち感」でしょうか。スペースシップでかっ飛んで巨大な敵を翻弄する、そのスピード感とスケール感、それが、まずはスペオペに求めるものですね。この点から見て本書収録先で一番面白かったのは、チャーリー・ジェーン・アンダーズ「時空の一時的困惑」 です。無数の眼を持った太陽系の半分規模の巨大な肉塊を崇拝するカルト宗教から超テクノロジー・ガジェットを盗み出した二人組が、続いて、星間国家規模の犯罪組織が保有する究極兵器を盗みださなければならない羽目になるという、一歩間違うとバカSFなスラップスティック。

スペース・オペラには謎やサスペンスに満ちた冒険ロマンス感も欲しいですね。この点から面白かったのは、サム・J・ミラー「惑星執着者」。転送ゲートで星々が結ばれた星間社会。故郷の惑星から飛び出してセックス・ワーカーとして働く主人公が、転送ゲートが全て破壊されて到達不能になったはずの故郷のコインを使った男を発見しその謎を解追い始める、というアクション&サスペンスです。ラスト、謎の答えというのが腰砕けになってしまっているのが残念なのですが、追跡の過程が楽しめました。主人公と追跡に協力する主人公の顧客複数がみんな男性、というのが現代風。

あと巨大は星間国家や銀河帝国がないとね。そして、そうした帝国への反抗という、反帝国感というのも欠かせません。この方面で面白かったのは、アリエット・ド・ボダール「包嚢」 です。辺境の都市のレストランで働く、中央エリートへ進む道に失敗した娘と中央の独占テクノロジーをハッキングしようといじくり回す双子の妹。ある日、レストランを訪れた重要顧客の妻は、中央で使用されている包嚢(外見と振る舞いを最適化するガジェット)に問題を抱えていて……コロニアルなアジアンテイストの雰囲気の中で、革命の萌芽が描かれた作品です。

ネットの皆さんが選ぶ収録作品ベスト5

この短編集、設定やストーリーの背景が飲み込みずらかったり、ジェンダー思想で強く味つけられた作品が多く、スペースオペラというには幅広いというか、癖の強い作品が集められている印象です。他の人たちはどういう作品を支持・評価されているのか知りたくなり、ネットに投稿された感想を見てみました。

読書メーターやX、ブクログなどに投稿された本書の感想を拝見し、特定の作品の名前をポジティブにあげている場合にその作品に1点をつけるというやり方で、18件の投稿から選出された本書収録先のベスト5は次の通り。

  • 第1位:チャーリー・ジェーン・アンダーズ「時空の一時的困惑」
  • 第2位:アリステア・レナルズ「ベラドンナの夜」
  • 第3位:ベッキー・チェンバーズ「善き異端者」
  • 第4位:セス・ディキンソン「モリガン、光に落ちる」
  • 同じく第4位:サム・J・ミラー「惑星執着者」

1位になった「時空の一時的困惑」はアホらしいまでのスケール感を評価する人が多いようでした。

第2位のアリステア・レナルズ「ベラドンナの夜」は、さまざまな系統の人々(?)の20万年がかりの銀河周回の完了を祝し、集められた経験の総和をアップロードする祝祭の場。参加した主人公が感じた違和感がどんどん膨らんで意外な結末へと至るという、銀河スケールなロマンティックストーリー。

第3位、ベッキー・チェンバーズ「善き異端者」。ウィルスに感染することで脳を改造し、超光速航法のナビゲーション能力を身につけるという種族。種族の良き一員を目指す少女が、ウィルス感染がうまくいかず自分自身の進む道を模索する話。

第4位に上がったセス・ディキンソン「モリガン、光に落ちる」は、この短編集では唯一のミリタリー系スペースオペラ。異星人襲来への対応方針の分裂の結果、人類同士が内戦を繰り広げる太陽系で過酷な戦いを続ける主人公の出会いと別れを描くストーリーです。

このネット調査では、14編の収録作品ほぼ満遍なく名前が上がっていたんですが、唯一、アン・レッキー「審判」に票が入りませんでした。取り上げられている作家の中では、スペオペ作家として一番有名だと思うんですが……収録された作品にあまりスペオペ感がなかった(解説でもサイエンス・ファンタジーと書かれている)せいかもしれません。

読書日記  2026年5月10日〜5月16日

読んでいる本

星の海を駆ける: 新世代スペース・オペラ傑作選 (創元SF文庫)』は読了。感想をブログに投稿しようと準備中。

続いて、ニール・スティーヴンスン『ターミネーション・ショック』を読み始めた。みんな大好き『スノウ・クラッシュ』以来、出れば買っている作家。本作は、近未来を舞台にした気候変動テーマの作品。まだ出だしを読んでいるところだけど、テキサス州やルイジアナ州の温暖化(と言うより高温化)の影響とか、主要登場人物であるオランダ女王の側近の一族(インドネシア系オランダ人)の太平洋戦争以来の苦難の歴史とかがコッテリ描き込まれていて、『クリプトノミコン』に近い感じがする。

読んでいるWeb小説

あれこれ忙しいというか落ち着かない日々で、Web小説ものんびり読めない。『鍋で殴る異世界転生』を読み続けているのだが、主人公が銃の開発に成功して銃ギルドのギルド長に治ってからストーリーのテンポが落ちている感じ。並行して色々な作品にちょこちょこ手を出しているけれども、これと言った作品が見つからない。