メディヘン5

時々書く読書感想blog

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

感想:新城カズマ『月を買った御婦人』伴名練編

ラノベ作家として知られる新城カズマ氏のSF系短編10編を集めた作品集。「日本SFの臨界点」というアンソロジーテーマに、ハヤカワ文庫JAなのに真っ赤な背表紙と気合い入りまくり。『サマー/タイム/トラベラー』から読み始めたニワカなので、編者・伴名練によ…

感想:ジャック・ヴァンス『奇跡なす者たち』

国書刊行会<未来の文学>シリーズの一冊として出版されたジャック・ヴァンス傑作選。朝倉久志氏の遺訳5編(うち初訳2編)を含む全8編を収録。既訳作品も全て全面改訳、16ページもあるヴァンス評伝+収録作解題+ヴァンス全著作リスト8ページという豪華版「…

感想:C.L.ムーア『シャンブロウ』

なぜか忘れがたいノースウェスト・スミス。シャンブロウ、ノースウェスト・スミス、「地球の緑の丘」といった単語が基礎教養のように感じられるのは、思春期に野田昌宏氏のスペースオペラ話を読んで育ったからかも。一作目の「シャンブロウ」(1933)から最…

感想:『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』 アマル・エル=モフタール,マックス・グラッドストーン

読む前の期待が膨らんでいたのだが、それを裏切られず満足。とにかくどこもかしこもエモいエモSFだった。こうしてあなたたちは時間戦争に負ける (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5053)作者:アマル・エル=モフタール,マックス・グラッドストーン早川書房Amazonま…

感想:ヘンリー・ジェンキンズ『コンヴァージェンス・カルチャー』

90年代の米国ファンダム文化研究の延長としてインターネット時代初期のファン参加型コミニュティの実相を渉猟し、メディアとファンの関係変化の様相を報告。主に取り上げられているコンテンツ=コミュニティは、『サバイバー』『アメリカン・アイドル』『マ…