メディヘン5

時々書く読書感想blog

2003-12-01から1ヶ月間の記事一覧

冲方丁『マルドゥック・スクランブル』 美少女アクションSFの極北

本年度の日本SF大賞受賞作。今年の収穫というにとどまらず、オールタイム・ベスト級の力作と言ってもいいだろうと思う。この作品については、絶対、何か書こうと思っていたのだが、いつの間にか年末になってしまった…マルドゥック・スクランブル The First C…

フリッツ・ライバー『妻という名の魔女たち』

本作品、昔、サンリオSF文庫というヤツで出ていたのだけれど、買い逃して絶版になってしまい、残念に思っていたもの。今回、創元推理文庫から再刊されて良かった良かった。しかし、昔は360円だったのに、今回の版は760円(!)。文庫本も高くなったもんだ。妻と…

佐藤和歌子『間取りの手帖』 Madoristって?

気になる本はいろいろ出るけれども、買うのに必要なのは、財布の中身とその日のノリ。多くは絶対、読みたい、というものでもないので、まあいいか、と買わずにすませることになる。いつもの本屋に立ち寄るたびに、そういった買いそびれ本がチラチラ視界に入…

神林長平『親切がいっぱい』

夏頃に買って、積読状態で放っておいたもの。『外人部隊の女』が重かったので、軽いSFが読みたくなり、出張の際に持っていって一気に読んでしまった。親切がいっぱいposted with 簡単リンクくん at 2006. 7.30神林 長平著早川書房 (2003.8)ISBN : 4150307334…

スーザン・トラヴァース『外人部隊の女』 勇敢になりたかった女

第2次大戦中にフランス外人部隊に従軍し、戦後、レジョン・ドヌール勲章を受けた女性の手記。上記の島謙作さんの記事を読んで、面白そうだと思っていたところ、ちょうど巡回先の古本屋で発見。さっそく購入して読んで見た。 この手記、戦争小説・冒険小説・…

ダン・シモンズ『夜更けのエントロピー』

“なんでもありSF”<ハイペリオン>四部作で度肝を抜いてくれたダン・シモンズ。彼の作品集ということ、それに、例によってタイトルを気に入って購入。夜更けのエントロピーposted with 簡単リンクくん at 2006. 7.26ダン・シモンズ著 / 嶋田 洋一訳河出書房…

チャールズ・シミック『コーネルの箱』

コーネルの箱posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.29チャールズ・シミック著 / 柴田 元幸訳文芸春秋 (2003.12)ISBN : 4163224203価格 : ?2,940通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見るAmazon私の”泣けるSFトップ10”に入るこ…

深見 真『アフリカン・ゲーム・カートリッジズ』 撃って撃って撃ちまくれ!

会社帰りに古本屋で買ったもの。おおげさに言えば一種の「奇書」というヤツかもしれない。ジャンルをSFにしたが、一般にはアクション小説に分類されるものだろう。アフリカン・ゲーム・カートリッジズposted with 簡単リンクくん at 2006. 7.28深見 真著角川…

マーセデス・ラッキー『宿命の囁き』

いわゆる”剣と魔法”ものです。割とお気に入りの作者なので、新刊コーナーで見つけて、即購入。宿命の囁き 上posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.28マーセデス・ラッキー著 / 山口 緑訳東京創元社 (2003.11)ISBN : 4488577067価格 : ¥882通常2-3日以内に…

アメコミSFと言えば <ワイルド・カード>シリーズ

<ワイルド・カード>シリーズ大いなる序章 上・下 Wild Cards宇宙生命体襲来 上・下 Aces High審判の日 上・下 Joker's Wild編:ジョージ R.R. マーティン翻訳:黒丸尚他出版:創元SF文庫/東京創元社発行年月:1992/1993/1994■あらすじこのシリーズは、アメ…

野尻抱介『ヴェイスの盲点』 意外性と堅実性のスペースオペラ

をー、野尻抱介ー、ということで、本屋で見つけて速攻、購入したもの。 この人は<ロケットガール>シリーズで知りましたが、かなりお気に入りの作家になりました。『読んでいない作品を見つけたら、即、購入』というカテゴリーに入れさせてもらっております…

佐藤賢一『英仏百年戦争』 それは百年戦争ではなかった

本書の著者、佐藤賢一氏は、『王妃の離婚』で直木賞を受賞するなど、西洋歴史小説を中心に活躍中の方。ところが。私は、本書を3/4くらい読むまで、この人と『墨攻』など中国歴史小説で有名な酒見賢一氏を混同して、同一人物だと思っていた。1)歴史小説…