メディヘン5

時々書く読書感想blog

『精霊を統べる者』に登場するロケーションをGoogleマップにプロットしてみた

歴史改変された20世紀初頭のエジプトの首都カイロを舞台に、男装の女性エージェント・ファトマが活躍するスチームパンク活劇、 P・ジェリ・クラーク『精霊を統べる者』には、現実のカイロの地名が多数登場します。

地名に馴染みもなく、距離感もつかみにくかったので、登場したロケーションをGoogleマップにプロットしてみました。現実の場所と登場ロケーションの対応には、推測・想像も含まれていますので、その点を割り引いてご覧ください。

カイロの位置

まず、舞台であるカイロの位置から。下の地図の真ん中左手にカイロがあり、東(右側)の方にイスラエルとヨルダン。

カイロの位置
カイロのすぐ北側からナイル川の大デルタ地帯が始まり、海沿いには、エージェント・ハディアの前任地アレクサンドリアがあります。

登場ロケーション全体の地図

上のGoogleマップのリンクはこちらです。

各番号の場所が登場したロケーションで、下の表の通りの対応になっています。見逃したロケーションがあったら、ごめんなさい。なお、王宮と王宮庭園は、改変歴史の中でジンが建てたとあったので、探しませんでした。モデルはあるのかもしれませんね。

番号 ロケーション コメント
1 ワージントン邸(クフ王のピラミッド) 具体的な位置は不明。背景に「山のように」見えるとされる大ピラミッド近くと想定
2 ダウンタウン 魔法省やファトマのマンションが所在するエリア。アビシニアン・コーヒーショップもこのあたりか
3 ハーン・アル・ハリーリ市場 メリラの店=ハトホル女神/セクメト神の神殿が所在するバザール
4 ムハンマド・アリー通り 裏路地に倶楽部「ジャスミン」が所在する、楽器店が多いエリア
5 ガーデンシティ アル=マンスール製鋼の重鎮ナビラの邸宅が所在する高級住宅街
6 エル・アラファ(死者の町) このモカッタムの丘のふもとにエル・アラファ(死者の町)が広がる
7 エル=カヤミヤ(天幕職人通り) 記録保管人のジン、シーワが住むガマル兄弟の店が所在
8 ソール・アル=アズバケヤ 「ラミの書籍&各種印刷物」が所在
9 アル=ガウハラ宮殿 天使たちの居城
10 アブディーン宮殿 欧州要人の宿泊先であり、最終決戦の地

中心の川がナイル川ナイル川を挟んで東側(右側)がカイロ、西側(左側)がキザとなります。

ロケーション間の距離感ですが、1. ワージントン邸(ピラミッド)〜2. ダウンタウン(魔法省)間の距離が12Kmくらい。これは、東京ですと、東京駅〜東京ディズニーランド間の距離とほぼ同じくらいだと思います。

ただし、ピラミッドはダウンタウンの西方向で、東京駅からディズニーランドは南東方向です。東京駅から真西に12Kmというと中野・杉並あたりでしょうか。

拡大図

場所が離れた1. ワージントン邸、6. エル・アラファ(死者の町)以外のロケーションを収めた拡大図です。

カイロ中心部の拡大図
参考として、同縮尺の東京の地図も載せてみます。
拡大図と同縮尺の東京。赤いマークは東京駅
拡大図の中のエージェント・ファトマの活動範囲を東京に当てはめてみると、カイロのダウンタウン(魔法省)に見立てた東京駅=赤いアイコンを基準にして、北は秋葉原の南側、南は築地・月島エリア、東は隅田川あたりという感じでしょうか。なんだか、江戸自体の時代小説でもありそうな身近な感覚の距離感ではないでしょうか。