メディヘン5

時々書く読書感想blog

2025-01-01から1年間の記事一覧

「主人公自身の謎」に導かれる超展開SF三選:『プロジェクト・ヘイル・メアリー』『レッド・リバー・セブン:ワン・ミッション』『反転領域』

SFを含むエンタメ作品の多くは、主人公の人物像を冒頭からはっきりさせていることが多いように思います。読者としても、物語を読む視点を定め、感情移入していくには、主人公の人間像がイメージできた方が楽です。ですので、主人公の立場をあいまいなにした…

ブログ記事改善のための読書メモ(Part 3完): 北村紗衣『批評の教室』、豊崎由美『ニッポンの書評』

批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く (ちくま新書)作者:北村紗衣筑摩書房Amazon ニッポンの書評 (光文社新書)作者:豊崎 由美光文社Amazon 『批評の教室』と『ニッポン書評』から自分のブログ記事の改善のために役立ちそうな文章の引用と自分…

ブログ記事改善のための読書メモ(Part 2): 北村紗衣『批評の教室』、豊崎由美『ニッポンの書評』

批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く (ちくま新書)作者:北村紗衣筑摩書房Amazon ニッポンの書評 (光文社新書)作者:豊崎 由美光文社Amazon 『批評の教室』と『ニッポン書評』から自分のブログ記事の改善のために役立ちそうな文章の引用と自分…

ブログ記事改善のための読書メモ(Part 1): 北村紗衣『批評の教室』、豊崎由美『ニッポンの書評』

自分の書く読書感想ブログの記事はどうもピリッとしないなぁ、という感覚があって、もう少しなんとかしたいと思ってきました。そこで、記事の改善のヒントをもらおうと、批評と書評それぞれの分野で実践的な「書き方」が書かれている、『批評の教室』・『に…

『精霊を統べる者』に登場するロケーションをGoogleマップにプロットしてみた

歴史改変された20世紀初頭のエジプトの首都カイロを舞台に、男装の女性エージェント・ファトマが活躍するスチームパンク活劇、 P・ジェリ・クラーク『精霊を統べる者』には、現実のカイロの地名が多数登場します。 地名に馴染みもなく、距離感もつかみにくか…

英国SF作家たちが推すニュー・スペースオペラのマイルストーン M・ジョン・ハリスン『ライト』

好きな作家が推薦している小説って読みたくなりますか?私は、好みの作家や書評家の推薦が帯に書かれていたりすると、ついつい買っちゃうタイプです。 ライト作者:M.ジョン ハリスン国書刊行会Amazon 英国SF作家たちの推薦コメント 今回紹介するM・ジョン・…

感想:『講談放浪記』神田伯山 講談師、聖地巡礼す

講談放浪記作者:神田 伯山講談社Amazon 講談について 講談、って聴いたことががありますか? 「講談」という言葉をという意味ではなく、演芸としての講談を聴いたことがあるでしょうかという意味です。 かく言う私は数年前までは講談というものを聞いたこと…

感想:『ヴィリコニウム』M・ジョン・ハリスン 陰鬱な美意識で描かれたニュー・ヒロイック・ファンタジーの古典

星に届くに至った技術文明が衰退した後、中世的な状態に戻った世界を描く連作作品集です。 過去の遺産をかろうじて受け継ぐ都市・ヴィリコニウム、別名・パステル都市の王の下に人々が集まり、<褐色の大廃原>や<錆の砂漠>といった荒野から発掘される廃棄…

感想:『シリコンバレーのドローン海賊』 サイエンス・フィクションらしいSFの短編集

『シリコンバレーのドローン海賊』 の読書感想