メディヘン5

時々書く読書感想blog

デニス・ダンヴァーズ『天界を翔ける夢』

週末、本屋にフラッと立ち寄った際になんとなく購入。かなり長い間、本屋の書棚に刺さったままだったらしく、ハヤカワSF特有の青い背表紙が色褪せているのが、ちょっと物悲しい。
 
読み始めてから、以前読んだ『エンド・オブ・デイズ』の正編だったいうことに気付いた。続編の方は、あまり関心しなかったのだが……

天界を翔ける夢
デニス・ダンヴァーズ著 / 川副 智子訳
早川書房 (2000.11)
ISBN : 4150113351
価格 : ?1,008
この本は現在お取り扱いできません。

■あらすじ

ほとんどの人間が<ビン>と呼ばれる計算機中の仮想世界に移ってしまっている世界。両親への反発から<ビン>への移民を拒否してきた主人公・ネモは、<ビン>内の両親宅を訪れた際に出会った美人歌手ジャスティンと一目ぼれの恋に落ちる。現実世界と仮想世界に分かれた二人の恋の行方はいかに?...という物語。

■感想

ジャスティンの姿がエイミー・マンという実在の歌手そっくりの上、残された日記からネモの祖母もエイミー・マンの大ファンだった...というあたりで謎が膨らみ始め、話がおもしろくなっていくのだけど、すぐに仕掛けの想像がついてしまうところは残念。

個人的には、映画『アイ・アム・サム』のサントラビートルズのカバー集になっている)の中のエイミー・マンが唄う"Lucy in the sky with diamonds"を気に入って、アルバムを買おうかと思っていたところだったので、彼女が扱われているのがうれしかった。続編の『エンド・オブ・デイズ』にはスーパーモデル(実在の人物じゃないけど)も登場するし、この作者、セレブ好きなのかも。SF作家に珍しいんじゃないだろうか。