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時々書く読書感想blog

岩本隆雄『鵺姫異聞』 鵺姫伝説の裏側

<星虫>シリーズ第4作。『鵺姫真話』に続けて読みました。

鵺姫異聞
鵺姫異聞
posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.30
岩本 隆雄著
朝日ソノラマ (2002.9)
ISBN : 4257769637
価格 : ?630
通常2-3日以内に発送します。

■あらすじ

人類宇宙移民計画の拠点・“プロジェクトシティ”。そこでパトロール隊員として働く田中隆は、謎の山伏が持ち込んだ石の力で、戦国時代へと飛ばされてしまう。彼はそこで巨大な“鬼”に出会い、宇宙に迫る破滅の危機と、それを防ぐことのできる女性の存在を知らされる・・・・・『鵺姫真話』を別視点から物語であり、<星虫>世界の因果の大本が語られる物語。

■感想

この作品を読んで、<星虫>シリーズは、つくづく、因果と人の縁の物語りだなぁ、と思いました。シリーズ主要登場人物の存在や、その情熱の源が相互に絡まりあって巨大な物語を形成しているのですが、この『異聞』で、一番の大枠や残された謎が説明され、一種の大団円を迎えます。と言っても、肝心の“宇宙移民”自体は、始まってもいないので、「始まりの終わり」という感じですが。

物語の大きな流れと、一番不思議な人物の謎が明かされ、満足感がありました。でも、今回は、ファンタスティックな部分と等身大の主人公のすり合わせが、もう一歩だったかも。ちょっと休んで、『ミドリノツキ』も読むかな。