メディヘン5

時々書く読書感想blog

ターニャ・ウスヴァイスカヤ『ノルシュテイン氏の優雅な生活』 巨匠の日常スケッチ

馴染みの本屋で平積みになっていた、きれいな黄色の表紙の新書。手にとったら、素朴なイラスト満載だったため、なんだか嬉しくなって衝動買い。

ノルシュテイン氏の優雅な生活
ターニャ・ウスヴァイスカヤ著
/ 〔児島 宏子日本語訳〕 / 〔小原 信利英語訳〕
ふゅーじょんぷろだくと (2003.11)
ISBN : 4893933698
価格 : ¥780
通常1-3週間以内に発送します。

■内容

『話の話』などで有名なロシア・アニメーションの巨匠ユーリ・ノルシュテイン。彼の弟子にして、助手兼買い物係のターニャ・ウスヴァイスカヤが、「1993年5月から2002年までの間に、主に友人、知人への私信や近況報告、日々の生活記録として描いたイラストを集めたもの」(本書奥付より)

■感想

まずは。すいません、ノルシュテイン作品、『霧の中のハリネズミ』しか見たことありません。と、誤っておかないと(なぜ?)。そういう人が読んだせいなのかもしれませんが、6章構成のうち第5章までは、アニメーションの巨匠を題材にしたイラストという印象を受けませんでした。ヨーロッパ人の変わり者だけど憎めないおじいさんの生活、という感じ。一転、第6章「芸術家」は、章題どおり、創作活動に悩み・励むノルシュテイン氏の姿が印象的でした。

本当に、「メモ用紙に書いた走り書き」を集めたという感じで、1枚1枚のイラストを鑑賞するというより、雰囲気を味合うべきものでしょう。しかし、さすがに印象的なイラストも何枚かありました。お気に入りは、最後から3番目、「我々がポエジーと呼ぶものが、子供たちにとっては現実なのだよ。」と題された1枚。


■関連リンク

- 版元・ふゅーじょんぷろだくとHP掲載されたイラストの一部を見ることが出来る。
 
- All about Yuri Norshtein(日本語)
作品リストや語録など、ノルシュテイン関連情報を収集したページ。“Who's who?”のコーナーでは、本書に登場する人々の紹介も読むことができる。