メディヘン5

時々書く読書感想blog

渡辺昌美『フランス中世史夜話』 脱線授業の名調子そのまま

いきつけの本屋で買ったのだと思うが、どういうシチュエーションで買ったのか忘れてしまった、まるで、いつのまにか積読本の中に混じっていたような本。

フランス中世史夜話
渡辺 昌美著
白水社 (2003.12)
通常2-3日以内に発送します。

■内容

中世史の専門家による中世ヨーロッパの説話・伝説・逸話を紹介したエッセイ集。取り上げられているテーマは、騎士、聖職者、教会、怪物、失われた都などなど。1987年に白水社刊の月刊誌『ふらんす』に掲載された12編に書きおろしを追加。1編10ページほどのショート・ストーリー全26本が集められている。

■感想
専門家のエッセイということなので、もっと固い、歴史解説的なものかと思って読み始めたのだが、実際の内容は気軽に読める楽しい読み物だった。取り上げられているテーマも、(中世に関心を持ちそうな)素人が野次馬気分で興味を持てるものであり、語り口もソフト。「知らないうちに中世についての知識が身につきます」という感じ。このおもしろさは……と思ったら、授業の上手な歴史の先生の脱線話そのままの楽しさなのだった。