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時々書く読書感想blog

マイクル・コーニイ『ハローサマー、グッドバイ』続刊も出してよプリーズ!

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)

じっくり味わいたい本が何冊も出版されているのに、読む側=自分の態勢が整わないことが多くてイライラする。一応、買って読みはするけど、仕事その他に擾乱されて流し読みに終わってしまう。読んだ本の内容によくわからん点があれば、腰を落ち着けてどういうことなのか自分なりの決着をつけたい。なのに、その余裕が無くてどうもスッキリしない。これが仙台の人の言う「いずい」という気分? まあ、しょせん読みが甘い読者なので「下手の考え休むに似たり」ではある。しかし釈然としないことをそのままにしておくのは、やっぱりストレスが溜まる。あげくに、趣味のしかもエンタメ読書にイライラするなんて本末転倒だぁ、などと思ったりして、ますますストレス増。

で、今年そういう状態に陥ってしまった2冊のうちの1冊が、この『ハローサマー、グッドバイ』なわけです。


さわやかでほろ苦いボーイ・ミーツ・ガールものと見ればシンプルに美しい。大人側の視点から、親子の確執や立場による守るべきものの違いを見れば苦みがいっそう際立つ。明日は今日の続きではないと感じたときの人々のプレッシャーに想いをはせれば、SFとしてのスケールも味わえる。そこで主人公の立場に戻って、少女を知ったことから気づいた世界への疑いのまなざしを思い出せば、話の表裏は見事に一体化する・・・・・・

自分が釈然としないのはSFとしての帳尻の部分なので、こうした小説としての読後感とは関係がない。というように冷静にとらえられるようになったのは、一つの小説としての味わいを的確に語ったこちらの評(SFで描いた青春恋愛小説「ハローサマー、グッドバイ」: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいるのおかげ。

とにかく、この評を読んで頭が冷めるまでは、ラスト(というかラストで明らかにされた基本設定)をどう理解すればいいのか釈然といかず、(頭の一部が)のたうちまわっていたのありました。そうなるのは良いとして、なんでそうなるのよ、ということなんですが。

自分の頭で解決できないと納得できないわけではないので、誰かに答えを教えてもらうのでもまったくOK。とにかく誰かが解説してくれてないかな、とGoogle先生にお伺いをたててみたら、自分とまったく同じ疑問を発見。そして、そのコメント欄には衝撃の情報が!

最後の疑問や、そのときの具体的なことについては続篇で語られていますが、ハロサマを読んだだけで推測するのは、ピースがいくつか欠けているのでほぼ不可能です。いや、その真相というのがじつにねえ……ああ、しゃべりたくてしかたない。 Posted by 山岸真

「ハローサマー、グッドバイ」: SF溜りが干上がるころ待ってるぜ

いやぁ、そうですか。これは、まいったまいった。
そういうことなら、続刊もぜひ出していただかないと困りますです。
訳者・山岸氏は、そりゃ出したいでしょうから、河出書房新社河出文庫様にお願い!

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