『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』感想
思い立って、今日観てきました。
- 劇場用アニメ。2012年11月17日公開。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」第3作。「Q」はQuickeningの略。企画発表時は「急」と表記されていた。同時上映「巨神兵東京に現わる 劇場版」次回作は「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」 スタッフ原作・脚本・総監督:.. 続きを読む
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もうすっかりアニメから足を洗って、オタク趣味の師匠である友人から『まどか☆マギカ』を勧められようが観に行く気がしなかったのに、これだけは劇場まで足を運んでしまったエヴァ。ネタバレせずに感想を書くとすれば、「損はしない。劇場で見る価値はある」というところかな。とにかく、美しくもあり迫力もある映像で、劇場アニメ作品として水準以上でしょう。
でも、やっぱり、思うままに感想を書いてみたくなるんだよね、この話は。
ですので、以下は、ネタバレです。
前座として、短編『巨神兵東京に現わる』。
そうか、初号機って巨神兵だったのかぁ、庵野氏にとって『ナウシカ』で巨神兵描いたのはもの凄い成功体験だったんだろうなぁ、とか、綾波のモノローグは懐かしいなぁ、とか和んでいたら、だんだんそれどころでなくなって、結構ビビる。
で、本編開始。『巨神兵』のおかげすっかりテンションが上がっている。
まったくの事前情報無しで見たので、冒頭の宇宙戦にビックリ。『巨神兵』とのテンポの違いもあって、一気に引き込まれる。
日本のアニメの宇宙戦シーンは、ヤマト→ガンダム→マクロスと進化してきたと思うんだけど、これは世界に誇ってもいいレベルになっているんじゃないだろうか。スターウォーズクラスだって、宇宙戦の部分ははっきり言って退屈。エピソード3の冒頭レベルでようやく、はいはいお金かけて頑張りましたね、というレベル。それと比べると、スピード感・迫力・カタルシスのいずれをとっても完全勝利、と思う。
アクションシーンとしては、この後、戦艦対使徒やらエヴァ対エヴァで、それらはそれで楽しめて映画館で見る満足感もあったんだけど、印象としてはまぁ月並み。特に、エヴァ対エヴァ、つまり人対人のアクションは、逆にハリウッドの実写映画に比べてイマイチ。
そもそも、エヴァのアクションシーンは、人型のエヴァ対意表を突いた形状の使徒の絡みだったから面白かったのだと痛感。というか、そもそも、庵野氏は怪獣映画が得意技ということなのかもしれない。
ストーリーは、シンジが覚醒して14年後と知らされるシーンへ。
14年間の時の流れを感じさせられたのは、ミサトとリツコの絡み。シンジに向けた銃の引き金を引けないミサトに対し、リツコが何も触れず事後処理をはじめるあたりに、コンビの過ごした時の長さを感じる。元の二人の関係であれば、リツコはは必ず一言皮肉を言ったはずなのに。
アスカを含む旧エルフの面々とシンジ君の関係は最低限の描写で終わってしまうので、感想の持ちようもない。そりゃ、諸悪の根源と思っている人達対浦島太郎じゃ、そういう会話になるよね、というレベル。
カヲルとシンジの関係は、一緒に風呂に入る→一緒にピアノを弾くに変わったわけだけど、感覚的には風呂に入る方がしっくり来る。映像的には、ピアノのほうが絵になりはするんだが。ここで一緒に弾く曲が有名クラシックだったら、いろいろ連想させられてまたおもしろかったんではないだろうか。後々のファンのパロディやリアクションネタとしても。
シンジが衝撃を受ける外界の姿は、もっとじっくり見せて欲しかった。美術さんも力を入れただろうにもったいない。というか、オジサンには、舞台の映像的関係がよく飲み込めなかったですよ。
そこからラストシーンまで、飽きさせはしないまでも、あっと驚くようなシーンがなかったのは、映画としてどうなのか。
チルドレン3人がとぼとぼ歩み去るラストシーンは、妙に衝撃的。え? ひょっとして次は島編? チルドレン3人の島編になるの?!などと思ってしまって、クレジットが終わるまで呆然としてしまった。
全体のストーリーについては、ループだとかどうだとかネット上では賑やかだけど、完結もしていない上、作品自体の情報量が限られているのに議論してもムダでしょ、と思う。ただ、
次回作は繰り返し記号:|┃とも読めるし序破Qのタイトル前にも「:」がある事から終止記号|┃とも読めるダブルミーニングとなっている。
http://alfalfalfa.com/archives/6078330.html
という解釈には感心した。
あと、
というようなところは、やっぱり気になるな。そういう謎々を楽しんでこそのエヴァだし。
アクションが終わって「ガキシンジ、(今度は)私を助けてくれないんだ」とスネかつ心配するアスカに癒された。冒頭の宇宙戦でのアスカの危機が初号機の無敵パワーで救われたことに対応しているわけだろうけど、今回、ほとんどのキャラにまともなセリフが無いなか、唯一、シンジを対等な人間として扱ったセリフだけにちょっとジンときた。で、島編へ???(しつこい)