吾妻ひでお『失踪日記』
■あらすじ
漫画家・吾妻ひでおが自ら描く、「逃げ出した自分」の姿。
第1部「夜を歩く」は冬場のホームレス編。第2部「街を歩く」は夏場の肉体労働者編+漫画家・あじまの自分史。第3部「アル中病棟」は、アルコール中毒から脱出の顛末……のはずだが未完で、続編に続いております。巻末にはとり・みき氏との対談を収録。
■感想
一読して、驚いたのなんのって。
これが出た3月だか4月だかの頃に、職場の後輩が興奮しながら内容を教えてくれていたので、漫画家・あじまがホームレスやってたりなんだり、というくだりには特段驚かなかった。何に驚いたかと言うと、これがマンガだったということ。
なんで有名漫画家の出した本読んで、マンガだと言って驚いたかというと、ごく単純に、自伝とか告白本とかいうのは活字ものだという思い込みがあったかららしい。この本も、中身はとり・みき氏との対談とか“裏失踪日記”のような活字が中心だと思って読み始めたら、完全なあじまマンガなんだもの。いやぁ〜、逆に、すっかり嬉しくなってしまいました。
しかし、「入院後半のエピソードは続編にて」なんて書かれているけど、そんなプレッシャーかかって大丈夫なのか。などと思ったら、あじま先生、公式HPなんて作ったりして(しかもsince 2005.2)、やる気マンマン? でも、
(日本漫画家協会賞贈賞式で)人前に出るのがいやで、2〜3日前から十二指腸潰瘍が再発し、腰痛に苦しみました
なんて書いてるしぃ〜。お体お大事に、ですね。
■関連リンク
★どうどどどどうど、吾妻ひでお@更・うれしいがらし日記
いしかわじゅん氏に一言触れられていて思わずニヤッとしました。私の場合、江口寿史氏や<バスタード>の萩原一至氏といった、もう少し下の世代の「描けない苦労」で有名な方々の感想も知りたかったり。
★吾妻ひでお公式HP
近況報告(いろんなものがリンクされてて凄すぎ)、ギャラリー、リンク集など。