メディヘン5

時々書く読書感想blog

『宮武一貴マクロス&オーガスデザインワークス』

宮武一貴マクロス&オーガスデザインワークス
宮武 一貴〔画〕
ムービック第6事業部 (2005.6)
ISBN : 4896016297
価格 : ?3,150
通常2-3日以内に発送します。

■内容

タイトル通り、スタジオぬえ宮武一貴氏が、アニメの“マクロス”、“オーガス”向けにデザインしたマシーンのデザイン画集。いわゆる設定資料にラフスケッチを加えたもの。

宮武一貴氏が“マクロス”でデザインしたのは、マクロスそのものを始めとする宇宙船類中心ということで、マクロスのバリエーションのデザインが多数(マクロスマクロス13まで)掲載されている。

有名なバルキリーなどの主役戦闘機類は河森正治氏デザインであるので、ほとんど掲載されていない。ただし、宮武デザインの無人戦闘機ゴーストと併せ、その原型として、「宇宙塵」に掲載された宮武氏のSF戦闘機小説に登場するリフティングボディ型有人/無人戦闘機スーパーバードの図面(昔々のSFマガジンに掲載されていたものでしょう)が出てくるのは、無闇に懐かしい。

また“パワードスーツ”となると、やはり宮武氏の出番ということらしく、マクロスに登場する巨人宇宙人が着用するパワードスーツ類も一通り掲載されている。

オーガスについては、デザイン原案・宮武一貴ということだったらしく、主役的なメカを一揃い掲載、というところ。

巻末に、宮武一貴×河森正治の師弟対談を収録。

■感想

初出のものは(ラフは別として)ほとんどないようであるし、記憶に有る数少ないムックや雑誌向けのイラストものも収録されていないので、資料的価値はあまり高くないと思う。収録図版数を稼ぐためか、1件ごとのサイズが小さいのも残念。

ただ、ラフから決定稿までの流れに合わせたキャプションが豊富に付けられているため、宮武氏のデザイン哲学に接するには良い本かもしれない。また、対談で河森氏も触れられているけれども、宮武氏が手書き文字で解説を記入したデザイン画は、「世界観」といったものを味合わせてくれる独特の雰囲気を持っていて魅力的。そういう意味では、“マクロス”ファン向ではなく、宮武ファン向け。

私自身は、昔のSFマガジンの図解特集や<スタジオぬえのスターシップ・ライブラリィ>が好きだった口なので結構、満足しました。“さよならジュピター”版とか“トップを狙え!”版とかも出してもらいたいのであった。(値段は、やはり高すぎる気がするけど)