アーネスト・シャクルトン『エンデュアランス号漂流記』
シャクルトン本第2弾。
第1回のランシングの本と一緒に買っていたのだが、読むのは後にした。本人がカッコ付けて書いていて、第三者の評価が全然違ったら、幻滅しちゃっていやだなぁ、と思ったため。
エンデュアランス号漂流記
posted with 簡単リンクくん at 2006. 9.11
■紹介&感想
読んでみたら、当初の心配はまったくの杞憂。シャクルトン自身は、自身の行動のみならず、隊員の振る舞いについて、プラスにもマイナスにもほとんど論評を加えておらず、淡々と事実を記録している。淡々としすぎではないと思うほど。もちろん、局面ごとの喜びや不安といった感情も、“事実”として描き込まれているので、味気ないということはない。ただ、後から考えたり、隊員達と話し合ったこともいろいろあるだろうに、もう少し遭難当時を振り返ってみて欲しかった……というのは単なる野次馬根性か。
本書は、シャクルトンの記録の全訳ではなく妙訳だということが、“淡々さ”を感じる本当の原因かもしれない。
シャクルトンの記録の全訳は、下記みたいだが、これがまた絶版。再刊して文庫化までしてくれると嬉しいんだけど……
■他のシャクルトン本の紹介と感想
- アルフレッド・ランシング『エンデュアランス号漂流』の紹介と感想
- エリザベス・コーディー・キメル『エンデュアランス号大漂流』の紹介と感想