メディヘン5

時々書く読書感想blog

アーサー・C・クラーク逝去。

いつも拝見しているblog各所の記事で知りました。

SF作家のアーサー・C・クラーク氏が死去--「2001年宇宙の旅」など作品多数@C-NET
あぁ、ついに、その日が……

この巨匠の作品に思い出を持つ方は多いでしょうね。


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私の場合、SFってサイエンス・フィクションってことなんだ、ということを最初に意識させてくれた方でした。

渇きの海 (ハヤカワ文庫 SF ハヤカワ名作セレクション)

『渇きの海』。
その作品は、これ。シンプルな状況(この作品では「月面バスが月の塵の中に埋もれる」)から、これだけのストーリーや思考実験を生み出せるんだと感激した覚えが。ジャンルとしてのサイエンス・フィクションにはまるようになった原体験です。


海底牧場 (ハヤカワ文庫SF)

『海底牧場』。加藤直之版の表紙の方が好きだなぁ、というのはさておき。
学生時代、当時、流体地球物理学を専攻されていた某先輩が、この作品への熱い思いを語ってくださったことを今でも懐かしく思い出します。

決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)

2001年宇宙の旅』。
作品としてのインパクトはもちろん、キューブリックの映画版や、田島令子さんがHAL9000の声を好演されたラジオドラマ「音の本棚」など、メディアミックスの楽しみを初めて知りました。

楽園の泉 (ハヤカワ文庫SF)

『楽園の泉』。
SFマガジンの連載で読んだのですが、途中、クラークも年とったなぁなどと思っていたのに、ラストの壮大なビジョンに圧倒されて目が点になった記憶が。

グランド・バンクスの幻影 (ハヤカワ文庫SF)

『グランドバンクスの幻影』
1990年代後半にもなると、流石に今さらクラークでもあるまいなどと生意気なことを思って出版されてもスルーしていたのですが、この作品を読んでびっくり。『海底牧場』以降の海洋に関する知見が思いっきりアップデートされている上、『楽園の泉』にも劣らない壮大なラストで、感激しました。

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故人のご冥福をお祈りします。

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