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時々書く読書感想blog

クリストファー・プリースト『双生児』

双生児 (プラチナ・ファンタジイ)

双生児 (プラチナ・ファンタジイ)


SFが読みたい!2008年版」海外部門1位入賞(?)をはじめ、各所で大変評価が高い本作品。自分自身、『奇術師』『魔法』といった長編や『限りなき夏』収録の短編群を楽しく読んだだけに、期待度最高で読書開始。期待が高すぎるとスベっちゃう、ということが多いのだけれど・・・・・・この小説は、期待通り、楽しめました。

この『双生児』、内容に触れるととたんにネタばれになっちゃいそうで紹介が難しい。自分自身、内容面の情報には一切目を通さずに読んだら、それが正解だったと思うし。できれば、Amazonの内容紹介や本の折り返しのあらすじも読まずに、いきなりとりかかるのが吉かと。まあ、仕掛けがいろいろ凝らされています、というくらいはいいのだろうと思いますが。

あと、大森望氏の丁寧な解説が付いている、というのもいいでしょう。解説で触れられている「仕掛け」の一つに気づかなくて、ちょっとくやしい。結構、丁寧に読んだつもりだったのになぁ。

そうそう、プリースト作品の仕掛けと言えば、『双生児』を読み終わってネット上の感想をツラツラ眺めていたら、『魔法』の結末には、ほとんど誰も言及していない仕掛けがある、と書いている人がいて、はて、なんだっけそれは?、と再読したくなってしまったのでした。


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