紅白を見ながら今年を振り返ってみたり。
勝間和代も疲れた顔してるよな〜、などと思いながら紅白を見る大晦日。
2009年も長ったなぁ。今年は、初夏から年末にかけてドタバタが続いたせいで、イマイチ読書生活面の記憶が薄い(blogも書かなかったし)んだけど、それでもあれこれ読んではいるわけだ。自分史(笑)的な意味で振り返ってみたり。
日本SF
2009筆頭にあがるのは、当然ながら 伊藤計劃『ハーモニー』。読んだのは年明けすぐだったので、この作家はこの先どういうものを書いて行ってくれうようになるんだろうか楽しみ、なんて思っていたのだけれども、年末になって振り返ると、一読者の立場でも切ない思いがつきない。そう思いつつ、また読み返そうと思えるのだから『ハーモニー』はよかった。
作家の凄みを感じつつ読者としての喜びを味わえたという点では、『アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風』も超大力作。神林作品の現時点での集大成?一度読んだだけでは意味がよくわからんというのが正直なところなんだけど、雪風シリーズは、79年の第1作「妖精が舞う」のSFM発表以来、読返し続けてきたわけで、またぼつぼつ読み返そうと。
2009年は、大森望節が鳴り響いた年でもあったなぁ、と思うのは、昨年末の『虚構機関』に続いて『超弦領域』出版。そして、この年末には『NOVA』1巻目の刊行。NOVA1は、ラストの伊藤遺作を除いても、終盤3作品の怒涛の勢いは凄かった。特に、作家1人の立場でGoogle(と英語文明?)に敢然と挑戦状を叩きつけた飛浩隆のカッコ良さ!
でも、飛浩隆と言えば『空の園丁』が今年も出なかったのはガッカリ。読者としては待つしかないわけだけど。野尻抱介『天穹の羅針盤』も……待ってるんだけどなぁ。
海外SF/ファンタジー
う〜ん。ちょこちょこ買ってるんだけど、イマイチ印象が。フリッツ・ライバー『跳躍者の時空』、出なかったしなあ。
で、何を読んでだったんだっけ、と思って思い返してみると、印象に残っているのはブランドン サンダースン<ミストボーン>シリーズ。これは楽しかった。革命+世界の謎を背景にしたツンデレ超能力美少女バトルもの。「世界の謎」がほとんど放ったらかしで第一部が終わっちゃったけど、続きはでるのだろうか。
あと、今年の刊行ではないけど、自分的には久々に原書で小説を読んで(読めて)楽しかった、Neil Gaimanの"American God"と"Neverwhere"。米国出張の時にふと買ったのだけど、なかなかおもしろった。英語もあんまり難しくなくて、いいっすよこの人。こういう話は、翻訳より原書で読んだ方が雰囲気がいいかもと思わされたり。で、調子に乗って買った"Good Omen"がまだ積読状態なんだよなぁ、というところで今年も終わりなのだ。