笹本祐一『ミニスカ宇宙海賊3 コスプレ見習海賊』
復活後、最初の感想がこれかい!という気分にさせられる相変わらずなタイトル。
でも、この記事で再び中断にするわけにはイカン、と思わせられていいかも。
- 作者: 笹本祐一,松本規之
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2009/11/20
- メディア: 新書
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さて、この第3巻は、伝染病罹患で女子高生船長以外の乗組員が隔離されてしまった海賊船・弁天丸で海賊家業を続けるため、ヒロイン茉莉香船長が女子高のヨット部員たちを助っ人にリクルートする話。
超光速スペオペとは言え、素人が本格的な宇宙船の運用にどうやって取り組むのか、というあたりをロケットもの・プロジェクトものを得意技にする笹本祐一がどう料理するか。そこのところを一番の楽しみに読む進んだものの、意外と淡白。『星のパイロット』くらいの書き込みはあるかと思ったんだけど。ヨット部員のリクルート話も、話を膨らませればいくらでも膨らみそうなのにサラっと流れちゃうし。ただ、だから物足りないというわけでもなく、起承転結の節目の転換がスムーズで流されるようにすんなり読めてしまった。まあ、ちょっと肩透かしを受けたような気はしたが……
お嬢様女子高に通う美少女ヒロインがクラブ活動とバイトで忙しい日々を送りながら、パートタイムで海賊船船長を務める、というこのシリーズの設定、話のバリエーションを広げようと思えばいくらでも広げられそう、という意味でよく考えらていて、さすがプロの仕事と関心してしまう。なにせ、ヒロイン本人についてだけでもクラス・クラブ・バイト・海賊と切り口がある上、バツイチ美女の空港管制官にして元海賊の母親をはじめ、周辺人物についてもフックがいろいろ仕込まれているし。仕込み通りということか、順調に巻を重ねてアニメ化まで企画されているととか、結構なことではないですか。次巻は「因縁話」ということのようだけど、ヒロインの親の世代のキャラクターたちの活躍がありそうで楽しみ楽しみ。