メディヘン5

時々書く読書感想blog

ラノベ三本立て<バッカーノ!><パラベラム><フルメタ>

ここ一月ばかりの間に読んだライトノベルをまとめて。


バッカーノ!―The Rolling Bootlegs (電撃文庫)疾走する思春期のパラベラム (ファミ通文庫)せまるニック・オブ・タイム―フルメタル・パニック! 10(富士見ファンタジア文庫)


  • 成田良悟バッカーノ!―The Rolling Bootlegs 』(電撃文庫)
    • 魔法少女や殺人鬼、デュラハンに普通の高校生といった特異なキャラクターたちが繰り広げる独立したストーリーが、ラストで一気に結び合わされる……というアクロバティックなストーリー展開の『世界の中心、針山さん』『デュラララ!』が気に入った成田良悟。<バッカーノ!>シリーズは、TV化されているし巻数も重ねている同氏のメインストリーム。
    • 基本のストーリーは、中世の錬金術士が悪魔を召還して完成させた「飲んだ者に不老不死・不死身にする酒」の行方を巡る群像劇。その第一巻の舞台は禁酒法時代のニューヨークとなかなか捻りが効いている。
    • メインストリームだけあって、前述の二作より真っ当なキャラと真っ当なストーリー展開。その分意外性は乏しかったかも。よく計算されている、という点には流石に唸らされたけど、アッと驚くほどではなかったかな。
  • 深見真『疾走する思春期のパラベラム』(ファミ通文庫)
    • なんだかジャンスカ撃ちまくるガン・アクションが読みたいぞ……という気分になった時に、『アフリカン・ゲーム・カートリッジズ』や『ヴァンガード』で楽しませてもらった深見真を見つけて購入。
    • 主人公が入部した高校の映画部は、虚空から銃器を召還する異能者“パラベラム”たちの巣窟。同じくパラベラムの能力に目覚めた主人公は、異能者たちの闘争に巻き込まれる。
    • 読んでみたらガン・アクションものとはちと違った感が。召還される銃器も実在のものではない。というか、これって銃じゃなくてもいいんじゃないの?名前はカッコいいんだけど(「90口径ボーダーライン・ブラックホール」とか)。ガン・アクションなら<ヤングガン>を読むべきだったか。
    • 主人公たちの所属するのが映画部というのがミソで、部員たちの会話を通じて作者の映画蘊蓄が楽しめそう。この巻は『ロボコップ』ネタでありました。
  • 賀東招二『せまるニック・オブ・タイム』 (富士見ファンタジア文庫 フルメタル・パニック)
    • シリーズが起承転結の結に入って怒濤の展開。<パラベラム>のガン・アクション欲求不満を<フルメタ>で取り返したぜい!
    • しかし、この展開・このキャラ扱いにして、キーワードが“デジャブ”……まさか、多重宇宙・人間原理ネタ???……そういう決着ならそれはそれで、高校生は高校生らしくなれるし消えてしまったあの人この人もOKだから、ジュブナイルとして清々しい結末ということになるだろう。でも、そんな素人が思いつくようなところにはいかないんだろうなぁ。自分としては、いきなり伏線が追加(ラストを控えた注意喚起?)された感があるソウスキー・セガールによる主人公らしい締めを望みたい。
    • 次巻がラストと言うけどページ数は間に合うのか。まあ、『デイ・バイ・デイ』も上下分冊だったし、ラストは三分冊でもいいので、ガッチリまとめていただきたいもの。

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