『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』感想
思い立って、今日観てきました。
- 劇場用アニメ。2012年11月17日公開。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」第3作。「Q」はQuickeningの略。企画発表時は「急」と表記されていた。同時上映「巨神兵東京に現わる 劇場版」次回作は「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」 スタッフ原作・脚本・総監督:.. 続きを読む
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もうすっかりアニメから足を洗って、オタク趣味の師匠である友人から『まどか☆マギカ』を勧められようが観に行く気がしなかったのに、これだけは劇場まで足を運んでしまったエヴァ。ネタバレせずに感想を書くとすれば、「損はしない。劇場で見る価値はある」というところかな。とにかく、美しくもあり迫力もある映像で、劇場アニメ作品として水準以上でしょう。
でも、やっぱり、思うままに感想を書いてみたくなるんだよね、この話は。
ですので、以下は、ネタバレです。
続きを読む長谷敏司『BEATLESS』 ラノベの王道と思ったらSFの王道だった
いやー、読み始めの印象と違って、ゴツい話だった。
頭に残ったキーワードは、アナログハック、自動化、フレーム問題、道具、といったところかな。
- 作者: 長谷敏司
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/10/11
- メディア: 単行本
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基本読書さんのこちらのレビューを読んで気になっていた。
自分はだいたい、熱い!・泣ける!といった感じの、どちらかと言うと感情過多で暑苦しいっぽい話が好きなもんで、
コメントアウト。正直な、理屈っぽく書かない感想を言えば、傑作だった!! 感動した!! 最後は風呂で読んでいたのだがそのおかげでぼろぼろ泣きながら読んだ。感動して泣いたのだ!
BEATLESS - 基本読書
なんていうか、燃えるんだよ!! 中二病だから燃えるんだよ!!
同
なんて書かれると、もうたまらない。
続きを読む伊藤計劃×円城塔『屍者の帝国』 謎が残るのは私だけ?
- 作者: 伊藤計劃,円城塔
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2012/08/24
- メディア: 単行本
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エピローグまで読み終わっての感想は、やはりこれは「伊藤計劃のことを忘れないために」計画だなぁ、ということ。
だって、実質的なあとがきと読めるエピローグ後半や、出版社サイトに掲載された著者・編集者のコメントなど、セットアップが強烈すぎる。結果論だろうけど、円城塔の芥川賞受賞により、SFやゲームの世界に閉じていた伊藤の名が一般の目に触れることにもなった。
これで、この作品が日本SF大賞(それも特別賞とか)でもとれば、”正史”にも記録されることになり、完璧だよなぁ。
もちろん、それで何かまずいということはない。私も喜んで、この計画に参加したい。
作品の内容も言うことなしに楽しめました。
魅力的な設定とストーリーの展開はもちろん、楽しかったのは、19世紀の世界をまたにかけて続く主人公たちの旅。陰謀を追っかけつつ世界各地の風物を楽しめるというのが、007映画シリーズの魅力の一つであり、そのあたりをうまく取り込んでいるのも、本作品の魅力の一つでしょう。
ただですね。この作品、仕掛けがハンパないわけです。私の知識やら読解力やらの不足で、どうもわからないところがいくつかあって、それが、いまだに尾を引いている。疑問に思うこと自体が見当違いな、意味のないところに引っかかっているような気もするのだけど、どうも気になる。*1
最初、教養不足の私にはカラマーゾフの兄弟がなぜ登場するのかもわからず、ハテナマークが頭の中を飛び交いました。しかし、これはインターネットという偉大な発明のおかげをもって一応、解決。『カラマーゾフの兄弟』には、約束されつつ書かれなかった第2部がある、と。私の単純な頭脳にとっては、これで十分。伊藤計劃氏の作品に第2部が約束されたものがあるかどうか知りませんが、『屍者の帝国』という作品の書かれた経緯を顧みれば、察しろよ、お前、ということでOK。なるほどなぁ、と。後でカラマーゾフに関する理解が増せば、この照応は、ますます作品からの楽しみを増やしてくれることになるのでしょう。
ところが、よくわからない点がまだまだ、いくつもある。わかれば、きっと「なるほど!」と楽しめるんだろうと思うと、気になって仕方が無い。
以下、そういう疑問点を書いてみます。
(ネタバレになります)
*1:楽しみが長引いているとも言う
家族と本を買いにいく
家族と出かけた時に本屋に寄るということがないわけではなかったのだけど、たまたま、ネタになるような出来事が続いたので。
SFブックミュージアムを見にカミサンとジュンク堂本店へ
有名だし、ムスメが新宿店でバイトさせていただいていたことがあったりで馴染みのある書店さん。家から遠かったりで、残念ながら、これまで行ったことがなかった。SF BOOK MUSEUM開催のニュースを見て、この機会に行ってみようかと。カミサンも本店に興味があったらしく、誘ったらすぐ乗ってきた。
印象はというと。
- レジが1階にしか無いんだ! ちょっとビックリ。
- 売り場面積は思ったほど大きくなかった。
- 売り場にイスがあるのはいいんだけど、イス自体がちょっとしょぼいのが残念。アメリカの本屋みたいにゆったりしたイスを置くのはスペース上難しいという雰囲気。すべては日本の地価の高さか。
- SFブックミュージアムは理工書フロアの7F。相乗効果を考えれば、まあ、そうかもね。最近のSFは必ずしも理系っぽくないけど。
SFブックミュージアム自体は、まあ、こんなもんか、という感じ。
”SFの夏”っぽい熱い展示になっているかと思っていたのだけど、そういう感じでも無くて拍子抜け。
その後、文芸書フロアに移動し、カミサンも自分の本を購入。
1Fで会計後、4Fにあがって喫茶で休憩。
コーヒーはおいしかったけど、皆さん、読書等々に集中しておられるようで、カミサンと世間話をするわけにも行かず、早々に退散。
東武デパートのレストランで遅めの昼飯を食べて帰宅。
ムスコと神田古本まつりへ
前の週末、行くか!、ということになったものの日曜が雨であきらめたのを最終日、文化の日にリベンジ。
ウチからだと、東西線・九段下駅から駿河台下まで歩けば、古書店街の端から端まで目を通せる。なんだか、裏口から上がり込むみたいな感じだけど。
ムスコも自分のペースで見て歩きたいようなので、神保町駅の西側の入り口をすぎたところで一旦分かれて、それぞれ勝手に見て回ることに。
こちらは、いきなり@ワンダーの外に並べられた長い書棚にはまって、以下を購入。
- 光瀬龍『たそがれに還る』(日本SFシリーズ)
- 豊田有恒『モンゴルの残光』(日本SFシリーズ)
- 両方とも持っていなかった。
- 平井和正『死霊狩り』(ハヤカワ文庫SF)
- 角川文庫版は持っているんだけど、ハヤカワ文庫版は持っていないのを思い出して。JAだと思っていたらSF文庫だった。
- 栗原景太郎『白鴎号航海記』
- 昭和45年刊のヨット航海記。なんとなく……
その後、靖国通り沿いに並べられた棚に一々目を通していくものの、どうもピンとくる本が無い。さすが最終日ということか。
気づいたら、あっという間にお昼。
神田カレーグランプリなるもののWebを見てカレーにしようと決めていたので、グランプリを受賞したボンディの小川町店へ。さすがに混んでいて少々待たされたものの、カレーは回転が速いし、注文とってから料理が出てくるのもすぐ。欧風カレーはこってりしつつもしつこさが無く、独特の甘みがあっておいしかった。
昼食後は、ムスコが欲しいという本を見に行くことに。
- 知切光歳『鬼の研究』
- 本当は一緒に並んでいた『天狗の研究』が欲しいらしいのだが、平成に出た新版は装丁がソフトカバーだからいやだと言って、箱入りハードカバーの『鬼の研究』を欲しがる。3,000円。こちらは、買ったのを全部合わせても2,000円行ってないのに、とおもいつつ、本を読め読めと言っている手前、買ってやる。
当人はほかに、
といったあたりを買っていたらしい。
なんだか、ムスコの方が神田っぽくてくやしい。
いつの間にこんな趣味になったんだと思ってカミサンに聞いたら、どうも彼は現在、東方にはまっていて、そのつながりらしい。
ゲームから入ってこういう本を読もうと思うというのは、歳相応の高二病(?)って奴だね、これは。
結局、九段下・駿河台下間を往復して帰宅。
SFマガジン編集部編『SFが読みたい! 2010年版』
今年の『SFが読みたい!』は、なかなか読み応えがあって、得した気分。
SFが読みたい!〈2010年度版〉発表!ベストSF2009 国内篇・海外篇
- 作者: SFマガジン編集部
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/02
- メディア: 単行本
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ベストSF2009。
昨年は、あんまりSF関係を読んでいなかったとは言え、海外SFベスト10のうち2冊しか読んでいないというのは、イヤハヤ南友。まあ、国内海外合わせてベスト10作品の5冊が積読状態となっているので、今後の読書が楽しみではある。
しかし、1位の『ペルディード・ストリート・ステーション』は完全ノーチェックで存在自体気づいていなかったというのは大ショック。プラチナ・ファンタジイかぁ。海外SF3位はマーティン『洋梨形の男』。マーティンは、大昔SFMで読んだ「サンドキングス」の恐ろしさにビビッて以来、苦手としてきたんだけど、レビューを読むとスルーするのはもったいなさすぎる模様。
続きを読むフリッツ・ライバー『跳躍者の時空』感想
ライバー! 高い期待を裏切らない高い満足感。奇想コレクションの中でも、特にお気に入りの1冊になりそう。
- 作者: フリッツ・ライバー,中村融
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2010/01/21
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フリッツ・ライバーの名前が頭に焼きついたのは、『闇の聖母』。一昔前のサンフランシスコを舞台にして、風変わりな古書を手に入れた独身中年作家が、怪奇と幻想の世界に巻き込まれていくというストーリー。クラーク・アシュトン・スミスやラブクラフトといった実在の作家をネタに使っているところが、日本の伝奇小説のようで印象的な作品。また、アメリカのインテリ独身中年男性の生態や、そのガールフレンドとのやり取りがなかなか楽しい。
この『闇の聖母』に登場する主人公のガールフレンド、若々しく快活なインテリ女性であり、また"白い魔女”の属性を備える存在として描かれている。これはそう、『跳躍者の時空』に収録作のヒロインたちのイメージとまさに重なるところ。1943年に書かれた『妻という名の魔女たち』のヒロイン、タンジィだってそうしたヒロインの一人なのだから、まさにこういう女性がライバーの好み、ということなんでしょうね。
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