メディヘン5

時々書く読書感想blog

2004-01-01から1年間の記事一覧

石黒耀『死都日本』 ホラーじゃなかったのね

bk1.jpの内容紹介では「メフィスト賞受賞作家による……」となってますが、この本自体がメフィスト賞(第26回)の授賞作。昔、本屋で平積みになっていたのを見たけど、タイトルからホラーだと思って敬遠した記憶がある。メフィスト賞、というのもホラーな分野…

003: はじめて自分のお小遣いで買った本を教えてください。

はじめて自分のお小遣いで買った本を教えてください。また、その本を今でも持っていますか?自分の小遣いで初めて買った本、というと、多分、E.E.スミスの『宇宙のスカイラーク』。若き天才科学者リチャード・シートンは、X金属を使った新エネルギー源を発見…

002:記憶に残っているなかで、最も幼い頃に読んだ本は?

記憶に残っているなかで、最も幼い頃に読んだ本は?読んでもらったというのも含めると……ゆかいなかえるジュリエット・キープスぶん・え / いしい ももこやくということになるのだろうと思う。 親の話だと、上の「かえるのほん」を親が辟易するくらい読ませた…

001:本が好きな理由を教えてください。

本が好きな理由を教えてください。むむ。いきなり難易度の高い質問だ…… 考えてみると、「読書が好き」というのと「本自体が好き」というのと両方ありますな。わたしの場合。 「読書が好き」なのは……一番、集中できることだから。おもしろい本にはまると、周…

滝本竜彦『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』 後向き不条理小説

行きつけの本屋の<普通の>文庫コーナーに並ぶ平積みの中、異彩を放つライトノベル風の表紙と「青春小説の新たな金字塔」というオビの惹句につられて衝動買い。ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂposted with 簡単リンクくん at 2006. 7.27滝本 竜彦〔…

『困った時のMTBメンテナンス』 やってみることが大事だけど

困った時のMTBメンテナンスposted with 簡単リンクくん at 2006. 7.25バイシクルクラブ編集部編エイ出版社 (2002.11)通常1-3週間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見るAmazon■内容端的に書けば自転車整備の入門書。それ以上でもそれ…

ウィリアム・ギブスン 『パターン・レコグニション』

ギブスンはお気に入り作家の1人なので、迷わずbk1で購入・・・・・・でも、しばらく積読にしてしまった。パターン・レコグニションposted with 簡単リンクくん at 2006. 7.27ウィリアム・ギブスン著 / 浅倉 久志訳角川書店 (2004.5)ISBN : 4047914681価格 : ¥2,310…

森博嗣『ナ・バ・テア』 夕焼け空と飛行機が好きな人向け

不思議なタイトルは"none but air"の意。このblogでも以前取り上げさせてもらった『スカイ・クロラ』の続編。『スカイ・クロラ』をいたく気に入ったため、同書新書版の巻末に掲載されていた『ナ・バ・テア』刊行予告を見て、心待ちにしていた。なかなか出な…

浅井ラボ『されど罪人は竜と踊る』

久々の出張帰り、新幹線の中で読むものを探して入った仙台駅の書店でゲット。その時はなんだか、「ストーリーは軽いが、設定は凝りまくり」、というものを読みたい気分だった。そこで、ライトノベルのコーナーに行き、平積みの中から漢字が多い雰囲気のもの…

テリー・ビッスン『ふたりジャネット』 マジック・リアリズム万華鏡

ふたりジャネットposted with 簡単リンクくん at 2006. 7.25テリー・ビッスン著 / 中村 融編訳河出書房新社 (2004.2)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見るAmazon■あらすじ表題作「ふたりジャネット」は、主人公ジャネットの…

シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』 スタージョンは凄かった

不思議のひと触れposted with 簡単リンクくん at 2006. 7.27シオドア・スタージョン著 / 大森 望編 / 大森 望訳 / 白石 朗訳河出書房新社 (2003.12)通常2-3日以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見るAmazon■内容一昔前には、SF入門書(SF…

大森望・豊崎由美『文学賞メッタ斬り!』

文学賞メッタ斬り!posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.25大森 望著 / 豊崎 由美著パルコ (2004.3)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見るAmazon■内容SF翻訳家・大森望氏とライター・豊崎由美氏(肩書きはカバー折り返しの…

佐藤大輔『皇国の守護者8 楽園の凶器』 祝!30ヶ月ぶりの新巻

前巻の発売から、はや30ヶ月。第1巻が発売された1998年6月から勘定すると、平均、約8ヶ月半ごとに次の巻が出ていることになる。遅筆をもってなる作者だが、今回は待ちくたびれたのであった。もう出ないのかと思ってましたよ。トホホホホ。皇国の守護者 …

菅 浩江『永遠の森 博物館惑星』

菅浩江という方は、お名前だけは昔から意識してはいたものの女流作家を敬遠していたこともあって、これまであまり作品に触れたことがありませんでした。はっきり言って不覚。食わず嫌いは損のもと、という典型でした。永遠の森posted with 簡単リンクくん at…

野尻抱介『アンクスの海賊』

<クレギオン>シリーズ第3巻。順調に復刊中。新作と違って、原稿が出来ているんだかどうだか気を揉む必要もないし、今さら途中で打ち切りになるということもないだろうから(ないよね?)、極めて安心して読めるのであった。 また、作者も一定の評価を確立…

斉藤美奈子『文学的商品学』 商品学ぢゃなかったのか

文学評論分野で赫々たる活躍をなさっている斉藤美奈子さんの最新文芸評論。まあ、分野的にも著者的にも普段は読まない種類の本なんですが、これまたbk1.co.jpで「話題のベストセラー」に掲載されていたことから注文してしまったという。Amazonの「おススメ」…

町井 登志夫『爆撃聖徳太子』 絶叫厩戸皇子

知らない作者だし、普段、こういうタイトルの小説は(なんかいかがわしくて ^^;)買わないのだが、記念すべきbk1への初注文の際に「SF」のページで紹介されていたため、ふと購入。平積みを手にとって、ついつい買ってしまうようなものか。爆撃聖徳太子posted…

上田早夕里『火星ダーク・バラード』 若い火星

第4回小松左京賞受賞作。上記記事を拝見して興味を惹かれ、bk1初注文時に購入。この時は、あれやこれや一度に1万円も買ってしまったのであった。貧乏性で文庫や新書ばかり買っている自分としては珍しいこと。火星ダーク・バラードposted with 簡単リンクく…

ピーター・F.ハミルトン『マインドスター・ライジング』 鶴田表紙で購入

創元SFは最近扱う作家数がとみに少ない分、厳選しているんだろうなぁという思いと、鶴田謙二の表紙に惹かれて購入。マインドスター・ライジング 上posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.30ピーター・F.ハミルトン著 / 竹川 典子訳東京創元社 (2004.2)ISB…

佐藤賢一『オクシタニア』 南仏は雅な世界

推理小説はほとんど読まないのだが、なぜか笠井潔の<矢吹駆シリーズ>だけは、全巻集めている。その第2巻『サマー・アポカリプス』は、南仏一帯を舞台とし、キリスト教の異端として中世に滅ぼされた“カタリ派”をモチーフにしている。『サマー・アポカリプス…

冲方丁『微睡みのセフィロト』 冲方的様式美の世界

『マルドゥック・スクランブル』日本SF大賞受賞記念、ということで昨年末に購入したものの、なぜか手につかず放っておいたもの。ようやく読みました。微睡みのセフィロトposted with 簡単リンクくん at 2006. 7.30冲方 丁著徳間書店 (2002.4)ISBN : 41990510…

ターニャ・ウスヴァイスカヤ『ノルシュテイン氏の優雅な生活』 巨匠の日常スケッチ

馴染みの本屋で平積みになっていた、きれいな黄色の表紙の新書。手にとったら、素朴なイラスト満載だったため、なんだか嬉しくなって衝動買い。ノルシュテイン氏の優雅な生活posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.27ターニャ・ウスヴァイスカヤ著/ 〔児島 …

岩本隆雄『イーシャの舟』 2巻目も読まなければ・・・

『星虫』『鵺姫真話』から続く連作シリーズの3冊目。1作目しか読んでいないのに、平積みが眼に入ったせいで、なぜか買ってしまった。イーシャの舟posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.30岩本 隆雄著朝日ソノラマ (2000.11)ISBN : 425776919X価格 : ?650通…

ルイス・シャイナー『グリンプス』 60年代ロックSF

これも、『間取りの手帖』と同じく、しばらく本屋の棚に寝かせて、横目で窺っていたもの。ある日、内なる何かが熟して購入。しかし、今度は自分の本棚に放っておいて、またまた熟成。先週、ようやく読む気になった。読み始めれば、一気に読んじゃうんだが………

オースン・スコット・カード『シャドウ・オブ・ヘゲモン』 <エンダー>シリーズ第6作

『銀河英雄伝説』のファンなら、乱世における天才的な軍略家や政略家の活躍を描いた物語のおもしろさをよくご存知だろう。この物語は、未来の地球における天才的戦略家同士の知能戦・心理戦を主題にしており、その駆け引きをたっぷり味わえる。(ただし、宇…

スティーヴン・ハンター『さらば、カタロニア戦線』 スパイ小説版カタロニア讃歌

『カタロニア讃歌』、『物語 カタルーニャの歴史』に続くカタルーニャもの。さらば、カタロニア戦線 上posted with 簡単リンクくん at 2006. 8. 1スティーヴン・ハンター著 / 冬川 亘訳扶桑社 (2000.10)ISBN : 4594030017価格 : ?680通常2-3日以内に発送しま…

岩本隆雄『鵺姫異聞』 鵺姫伝説の裏側

<星虫>シリーズ第4作。『鵺姫真話』に続けて読みました。鵺姫異聞posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.30岩本 隆雄著朝日ソノラマ (2002.9)ISBN : 4257769637価格 : ?630通常2-3日以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見るAmazon■あら…

岩本隆雄『鵺姫真話』 一級品のタイムトラベルもの

連作<星虫>シリーズの第3作『イーシャの船』が思いのほかおもしろかったので、この第2作も読んでみました。ネット上でも評判の高い本シリーズ、さすがに近所の本屋もしっかり在庫有り。読みたい本がすぐ買えるのって幸せだなぁ。鵺姫真話posted with 簡単…

笹本祐一『ARIEL』 18年目にして、ついに完結!

1986年に『獅子王』に第1話が掲載された『ARIEL(エリアル)』。その後、順調に巻を重ね、20巻・52話にて完結、ということなりました。いや、長い間、楽しませてもらったなぁ。ARIEL 1posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.30笹本 祐一著朝日ソノラマ (198…

中村良夫『風景学入門』 良い風景とは?

ネットワークやITが極限まで進む時の方向性の一つには、物理的な世界との融合があるのではないか・・・・・・というぼんやりしたイメージから、最近、都市・環境・設計といったものに漠然とした興味が出てきている。本書もそうした興味から、なんとなく購入したも…