メディヘン5

時々書く読書感想blog

海外SF

フィリップ・リーヴ『掠奪都市の黄金』

会社帰りに行きつけの本屋(信愛書店)にて購入。前作、『移動都市』が好感の持てる冒険SFだったので、安心して読めた。初見の作家の作品の場合、読んでいてどうしても緊張してしまう。強いて原因を分析すれば、もし、自分の予想とまったく違う方向に話が進…

サミュエル・R・ディレイニー他『ベータ2のバラッド』

たぶん一昨年に買ったのだと思う。どうも、いつどこで買ったか憶えがない。bk1にもAmazonにも買った記録が無いし。普段立ち回る先の本屋で、この<未来の文学>を並べているところはないし。カバーもついてなくて手がかりないし。まあ、買っていて不思議はな…

チャールズ・ストロス『アイアン・サンライズ』今度は爆弾だ!

ハヤカワ文庫SF、2006年12月の新刊。イーガン『ひとりっ子』と同時刊行とは、この年の瀬にうれしい悲鳴、というのはオーバーか。どちらを先に読むか迷ったが、何も考えずに楽しめそうな(笑)こちらを先に読むことにした。アイアン・サンライズposted with …

ジャック・ヴァンス『竜を駆る種族』暗鬱さの魅力

ジャック・ヴァンス・・・・・・“あの”が付くような伝説的SF作家だと思うのだけれども、今ひとつ作品の印象が無い。昔々に<魔王子>シリーズを読んだはずなんだが・・・・・・そのヴァンス作品の新装刊ということで、期待して読んでみた。竜を駆る種族posted with 簡単…

恩田陸『光の帝国』とゼナ・ヘンダースン<ピープル>シリーズ

ゼナ・ヘンダースンの<ピープル>シリーズはわりと好きなほうなので、同シリーズにインスパイアされて書かれたという『光の帝国 常野物語』を読むのを楽しみにしておりました。光の帝国posted with 簡単リンクくん at 2006.11.22恩田 陸著集英社 (2000.9)ISB…

ジョン・C・ライト『ゴールデン・エイジ 1 幻覚のラビリンス』

ゴールデン・エイジ 1posted with 簡単リンクくん at 2006.11. 6ジョン・C.ライト著 / 日暮 雅通訳早川書房 (2006.10)ISBN : 4150115850価格 : ¥1,050通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見るAmazon■感想 この作品、おもしろ…

ライダ・モアハウス『アークエンジェル・プロトコル』

ハヤカワ文庫SFの新刊、ということで見つけて即購入。アークエンジェル・プロトコルposted with 簡単リンクくん at 2006.10. 1ライダ・モアハウス著 / 金子 司訳早川書房 (2006.9)ISBN : 4150115818価格 : ¥987通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビ…

フィリップ・ホセ・ファーマー『緑の星のオデッセイ』 落丁ぅ〜〜?!

以前、会社が早く引けて荻窪のささま書店に寄った際に買った本。この、ささま書店と言う古本屋がなかなかの癖もの。荻窪あたりの古本屋としては、結構広い方で品揃えも豊富であり、ファンも結構いるらしい。はてなダイアリーにもキーワード登録されている(…

ケン・マクラウド『ニュートンズ・ウェイク』 シニカルお笑いスペオペ

『カズムシティ』の分厚さにさすがに食傷気味。SF読むのは間をとろうかと思ったのだけれども、買ってあった本書をここで放っておいたら、買ったこと自体忘れてしまいそうだったので、一気に読んでしまうことにした。結果、大正解。『カズムシティ』より、よ…

アレステア・レナルズ『カズムシティ』

この厚さはSFファンへの挑戦としか思えない! などと勝手に盛り上がって購入。視点が三者だった前作に比べ、視点が減ったことで、ずいぶん読みやすくなったような気がする。自分的にはリーダビリティ大幅向上。カズムシティposted with 簡単リンクくん at 20…

ウェン・スペンサー『ティンカー』 しっかりアマゾン・ファンタジー

最近ハヤカワSF文庫から出てくるアニメ絵っぽい表紙のヤツには、どうも違和感を感じてしかたがない。この作品にも疑いの視線を向けつつ読んでみたけど、まあ、いいんじゃない?という感じ。続編が翻訳されたらたぶん買うでしょう。ティンカーposted with 簡…

A. E. ヴァン・ヴォクト『宇宙嵐のかなた』

1970年にハヤカワSF文庫第一回配本作の一つとして出版された作品の再刊。こういう、購買層を当てこんだような企画に乗るのは業腹だが、SF文庫自体がなくなっちゃたらエライことだと、ついつい買ってしまう今日この頃。まあ、読めば楽しいので、いいんですが…

ロバート・A・ハインライン『銀河市民』

1972年にハヤカワSF文庫で刊行された作品の新装版。銀河市民posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.29ロバート・A.ハインライン著 / 野田 昌宏訳早川書房 (2005.5)ISBN : 4150115176価格 : ?903通常2-3日以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで…

ジョージ・R・R・マーティン『タフの方舟(2) 天の果実

1巻を読んだ時の興奮が湧かない。これはどうしたことか。『天空の秘宝』『ダイロンの聖少女』という2册の“なんだかなぁ〜”というスペースオペラを先に読んでしまって、醒めた気持ちになっていたせいかもしれない。タフの方舟 2posted with 簡単リンクくん …

ウィリアム・C・ディーツ『天空の秘宝』

天空の秘宝posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.29ウィリアム・C.ディーツ著 / 斉藤 伯好訳早川書房 (2005.5)ISBN : 4150115109価格 : ?777通常2-3日以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見るなんというか力の入ったカバー・デザイン…

ジョージ・R・R・マーティン『タフの方舟(1) 禍つ星』

本屋で見てはいたものの、表紙のハヴィランド・タフ氏(この際、タフやんと呼ばせていただきたい。なんとなくですが)が嶋田久作+ハルコンネン男爵(映画版)みたいで不気味なため、ついつい買わずにいたもの。堺三保氏がblogにて最近痛快なSFをあんまり…

矢野徹翻訳『宇宙の戦士』

大先輩お二人のblogにて、矢野徹氏逝去の報を知る(更・うれしいがらし日記、FIAWOL-blog)作家、翻訳家として多数の業績を残されている矢野氏だが、自分が印象深いのは、下記の作品。宇宙の戦士posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.26ロバート・A・ハイ…

コニー・ウィリス『犬は勘定に入れません』 猫と恋とタイムパラドックス

犬は勘定に入れませんposted with 簡単リンクくん at 2006. 7.28コニー・ウィリス著 / 大森 望訳早川書房 (2004.4)ISBN : 4152085533価格 : ?2,940通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見るAmazon■あらすじオックスフォード大学…

トマス・ウォートン『サラマンダー 無限の書』

本屋をフラフラと散策中、“『SFが読みたい!2004年版』が選ぶ 本年度ベストSF 海外編”なる帯の惹句が眼に入り、見事に引っかかって購入。サラマンダーposted with 簡単リンクくん at 2006. 7.25トマス・ウォートン著 / 宇佐川 晶子訳早川書房 (2003.8)通常2-…

TB企画参加:「秋の夜長は長編小説!」

前のエントリーで大長編SF<ハイペリオン>四部作を再読した、という話を書いた折も折、日々のちょろいもさんでたらいまわし・本のTB企画「第4回 秋の夜長は長編小説!」という催しが開催されていたのを(今頃)発見。なんたって長編の大好きなちょろいも…

ウィリアム・ギブスン 『パターン・レコグニション』

ギブスンはお気に入り作家の1人なので、迷わずbk1で購入・・・・・・でも、しばらく積読にしてしまった。パターン・レコグニションposted with 簡単リンクくん at 2006. 7.27ウィリアム・ギブスン著 / 浅倉 久志訳角川書店 (2004.5)ISBN : 4047914681価格 : ¥2,310…

テリー・ビッスン『ふたりジャネット』 マジック・リアリズム万華鏡

ふたりジャネットposted with 簡単リンクくん at 2006. 7.25テリー・ビッスン著 / 中村 融編訳河出書房新社 (2004.2)通常24時間以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見るAmazon■あらすじ表題作「ふたりジャネット」は、主人公ジャネットの…

シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』 スタージョンは凄かった

不思議のひと触れposted with 簡単リンクくん at 2006. 7.27シオドア・スタージョン著 / 大森 望編 / 大森 望訳 / 白石 朗訳河出書房新社 (2003.12)通常2-3日以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見るAmazon■内容一昔前には、SF入門書(SF…

ピーター・F.ハミルトン『マインドスター・ライジング』 鶴田表紙で購入

創元SFは最近扱う作家数がとみに少ない分、厳選しているんだろうなぁという思いと、鶴田謙二の表紙に惹かれて購入。マインドスター・ライジング 上posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.30ピーター・F.ハミルトン著 / 竹川 典子訳東京創元社 (2004.2)ISB…

ルイス・シャイナー『グリンプス』 60年代ロックSF

これも、『間取りの手帖』と同じく、しばらく本屋の棚に寝かせて、横目で窺っていたもの。ある日、内なる何かが熟して購入。しかし、今度は自分の本棚に放っておいて、またまた熟成。先週、ようやく読む気になった。読み始めれば、一気に読んじゃうんだが………

オースン・スコット・カード『シャドウ・オブ・ヘゲモン』 <エンダー>シリーズ第6作

『銀河英雄伝説』のファンなら、乱世における天才的な軍略家や政略家の活躍を描いた物語のおもしろさをよくご存知だろう。この物語は、未来の地球における天才的戦略家同士の知能戦・心理戦を主題にしており、その駆け引きをたっぷり味わえる。(ただし、宇…

キム・スタンリー・ロビンスン『南極大陸』

昨年末に『タイムライン』と同時に購入したもの。<火星三部作>のK.S.ロビンスン、しかも南極もの、ということで速攻、レジへ。 小学生の頃、日本の南極越冬隊の本を読んで、南極に行くことに憧れたものでした。中学生のころまではまじめに地球物理学者を志…

ニール・スティーブンスン『ダイヤモンド・エイジ』

正月休み前にまとめて購入した1冊。正月休み中に読み始めて、先日、カゼをひく前にようやく読み終わったもの。休みに家で読むより、通勤中に読んだ方が読むスピードが速い。休みとは言え、家にいると意外とまとまった時間がとりにくいので、短くとも必ず時…

コニー・ウィリス『ドゥームズデイ・ブック』 “ハラハラしたSF”ベスト1

[関連したBlog:ホンの愉しみ/ドゥームズディ・ブック,ARROW'S FIGHT]この作品については、改めて読み直してから書こうか、と思っていたところ、上記の記事を読んだら、なぜか、どうしても一言書きたくなってしまいました。ドゥームズデイ・ブック 上posted…

ダン・シモンズ『夜更けのエントロピー』

“なんでもありSF”<ハイペリオン>四部作で度肝を抜いてくれたダン・シモンズ。彼の作品集ということ、それに、例によってタイトルを気に入って購入。夜更けのエントロピーposted with 簡単リンクくん at 2006. 7.26ダン・シモンズ著 / 嶋田 洋一訳河出書房…